行田市郷土博物館で7月24日・26日・27日、市内小学生による解説ボランティアが行われた。
忍城址(おしじょうし)の本丸跡地にある同博物館。忍城の城下町として発展した同市の歴史と文化を紹介。忍城の築城や江戸時代の忍城と城下町の様子、日本一の生産量を誇る行田の足袋、古代の行田の4つに分かれた展示室で同市の歴史をたどることができる。
解説ボランティアを行ったのは市立中央小学校の6年生75人。4月から「古代の行田」について学び、古墳や埴輪(はにわ)などそれぞれ興味を持ったことを調べ、テーマごとに作ったポスターや資料を使って1人1分程度の解説を準備してきた。
「STAFF」と書かれたオレンジ色のパーカーを身に着けた子どもたちが、博物館内のコーナーに立ち、絵や資料を手に、一般来場者へ向けて調べたことをクイズにして出題したり、展示された資料や埴輪などを指し示したりしながら解説した。
開始直後は硬い表情でぎこちなかったものの、2時間の解説時間内に何度も繰り返し発表するうちに解説が滑らかになり「質問はありませんか」と聞き手とやりとりする場面もあった。終了後、子どもたちからは「初めは緊張したけど、途中からスムーズにできた」「家でもたくさん練習した、上手にできてホッとした」「質問が出て、分からなかったことはまた調べてみようと思った」と感想が聞かれた。
同小学校の長谷川拓也教諭は「子どもたちは、興味を持ったものを調べるという学習だけでなく、絵や文章にまとめたりクイズを作ったりして『相手にどうやって伝えたらいいのか』ということを考えて準備してきた。緊張している様子もあるが、堂々と解説できている。解説ガイドをするというゴールに向かい、目的意識を持って学んできた成果が出ていると思う」と笑顔を見せた。「この経験が、他教科でも学び方の基礎として役立つ」とも。
同博物館学芸員の浅見貴子さんは「子どもたちは古墳を実際に訪れて、大きさや高さを確認したり、当館や県立さきたま史跡の博物館で埴輪や副葬品を見たりすることで、興味を持って調べ学習を進めていた。図解や資料集め、パンフレット作りなど『伝えるため』の準備を頑張ってくれた。今後も郷土の歴史について興味を持ち続けてほしい」と話した。「3日間で当館の来場者165人へ解説した」とも。