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行田に「着物の仕立て屋」 和裁師が店頭で仕立てる様子、間近に

店に入ると和裁師の仕事が目の前に見える

店に入ると和裁師の仕事が目の前に見える

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 行田市に旧足袋店の店蔵を利用し、和裁師が店頭で着物を仕立てる「着物の仕立て屋」がオープンした。

力弥足袋で知られた足袋店蔵を改修した趣ある建物

 着物を仕立てる職人「和裁師」が、店頭で仕立て加工作業し、客はプロの和裁師の仕事を目の前で見ることができる。熊谷市の呉服店「きものこすぎ」を営む小杉治さんが企画運営。「和裁を知ってもらうこと、プロの仕事を見てもらうこと。そこから着物へ興味を持ってもらいたい」と立ち上げた。

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 「力弥足袋」の商標で知られた牧野本店の店舗兼住宅を改修した同店。1924(大正13)年ごろに建てられた行田を代表する「半蔵造り」の店蔵で、工場部分はNPOぎょうだ足袋蔵ネットワークが、足袋の博物館「足袋とくらしの博物館」として活用している。

 注文を受けた着物を手縫いで仕立てる。反物(たんもの)という幅40センチ、長さ13メートルの生地を客の寸法に合わせて裁断、針と糸を使い一針一針、手で縫い上げていく。着物1枚を仕立てるのに最低でも2日~4日はかかるという。仕立て直しは5千円~、仕立て代は「紬」3万円~など。

 和裁師の沖田信代さんは「これまで表に出ることもなく、一人で黙々と仕事をしてきたので、人前で仕事をするのは緊張するが徐々に慣れると思う」と話す。普通、和裁師同士は顔を合わせるとこともなく交流もないことが多いというが、3人の和裁師はそれぞれ、困ったときに相談し解決方法を探りながら仕事を進めているという。沖田さんは「着物好きな方から細かい注文もあり、やりがいを感じる」と笑顔を見せる。

 小杉さんは「和装産業の歴史あるこの場所と建物で、伝統の技術と着物文化をもっと身近なものにするためにオープンした。さらに和裁師の独立支援として、着物ファンと和裁師のマッチングイベントを随時開催し、独立をしたいけどお客さまがいない和裁師と着物の着心地や着姿に直結する『仕立て』にもっとこだわりたい着物ファンとの出会いをサポートできれば」と意気込む。「将来は『この和裁師さんに頼みたい』と、和裁師とお客さまが直接交渉できるようになるといい」とも。

 営業時間は10時~16時。月曜・火曜定休。