くまがや地域通貨研究会が12月22日、市内児童養護施設へ冬至用のユズを届ける「ユズりあいくまがやプロジェクト」を行った。
地域通貨「くまがやありがとう券」を発行し、市民活動やボランティア活動の活性化を主な目的とする同NPO。施設で暮らす子どもたちや高齢者に「何かしたい」と考え、同じように思っている人々の善意を集めて施設とつなぐ活動を企画。冬至に合わせてユズの提供を呼び掛け、市内の児童養護施設へユズ風呂のユズを贈っている。
「ユズの木が高くて取れない」「たくさんあって取り切れない」という家のユズを「無償で取らせてほしい」「ユズを譲って=ユズって」と事前に市報やSNSで呼び掛けたところ、今年は5軒から申し出があった。
当日はNPOメンバー他、立正大学の学生7人がボランティアで参加し提供先でユズを収穫。初参加の学生もいて、高枝バサミの使い方やユズの木にはとげがありけがをしやすいことなどのアドバイスを受け、メンバーは一個ずつ丁寧にユズを取った。取り始めると辺り一面にかんきつの香りが広がり「いい香り」と話していた。集中して収穫するボランティアの姿に提供先の人から「子どもたちに届けられるならうれしい」「私たちも何か役に立てれば」と活動に賛同する声があった。
収穫後には市内4施設を回りユズを贈呈。段ボールいっぱいに入ったユズを受け取った施設の一つ、児童養護施設「泰山木のある家」の施設長は「毎年ありがたい。冬至のユズはこの時期だけの特別なもの。ユズ風呂にしたり、子どもたちの部屋に一つ置いておいたりして、良い香りに癒やされている」と話す。
同研究会代表の出浦尚明さんは「2010年に始まったこのプロジェクトは今回で7回目。今年もユズを譲ってくださる家の方と、立正大学の学生ボランティアのおかげでたくさんのユズを施設へ届けることができた。児童養護施設や高齢者施設など地域にはさまざま施設がある。これからも皆さんの善意と施設をつなぐ活動を続けていきたい」と話す。「ユズを譲っていただいた家庭とボランティアメンバーには『くまがやありがとう券』を差し上げた。市内の加盟店で利用してもらえたら」とも。