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県名由来の地で「さきたま火祭り」 炎の演出で神話再現、300人の松明行列も

燃え盛る産屋の前に立つ「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」と、「木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)

燃え盛る産屋の前に立つ「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」と、「木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)

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 古事記に記された神話の一場面を再現する祭り「さきたま火祭り」が5月4日、埼玉県の名前の由来にもなったと言われる行田市埼玉(さきたま)の県営さきたま古墳公園で開催される。

当日は炎に包まれる産屋の前で来場を呼び掛ける実行委員

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 再現されるのは日本神話に登場する天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫である「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」と、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の孫「木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)」にまつわる神話。一夜の契りで妊娠したことを夫の瓊瓊杵尊が疑い、木花佐久夜姫は浮気していないことを証明するため、火を放った産屋の中で子どもを出産する場面だ。

 メインイベントは瓊瓊杵尊と木花佐久夜姫を乗せた輦台(れんだい)を先頭に120人余のたいまつ行列が現れ、わらや竹で作った高さ6メートルの産屋に火を放ち燃え上がらせるもの。丸墓山古墳と稲荷山古墳からたいまつを持った180人余の御神火降りも山の斜面に火の帯を思わせるなど、炎の演出で見る人を古代の神話の世界へ誘う。

 市内埼玉(さきたま)地区の「地域の祭り」として始まった同祭り。実行委員会はもとより、3反分の稲わらが必要だという産屋の製作や300を超えるたいまつ作り、祭りの朝に販売される縁起物「火祭り大根」の栽培販売、前玉神社から火おこしした火を運ぶ「採火行列」など、地元小中学生や地域の人々が協力して行っている。実行委員会によると来場数は約10万人、回を重ねるごとに増えているという。

 18時すぎに始まるメインイベントの前には、公園内でフリーマーケットや物産展、楽器演奏やダンスのステージイベントなどの催しを企画。観光大使の鳥居みゆきさんや忍城おもてなし甲冑(かっちゅう)隊、さくまひできさん、行田市ゼリーフライ大使の潮崎ひろのさんらが登場する。

 実行委員の鈴木英也さんは「地域コミュニティーの交流が目的で始まった祭りで、地元を盛り上げたいと祭りに関わって来た。地域の祭りでこれほど大きな祭りは珍しいのでは。来場者の方にはもちろん神秘的な祭りを楽しんでもらえると思うが、参加すると何倍も楽しめる。幅広い世代に祭りの魅力を知ってもらい世代育成にもつなげられれば」と話す。

 実行委員長の山口裕久さんは「300人が持つたいまつや燃え上がる産屋の炎など圧倒的な迫力がある祭り。フィナーレの花火にも注目してほしい」と話す。駐車場が限られていることについて、「JR高崎線の北鴻巣駅からと臨時駐車場の古代蓮の里から無料シャトルバスが運行しているので利用してほしい」と呼び掛ける。 

 開催時間10時~20時。入場無料。

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