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「ひと」と「まち」つなぐ、北本「暮らしの編集室」に拠点 シェアキッチンやレンタルも

「ケルン」1階、キッチン設備のるレンタルスペースでお披露目会の様子

「ケルン」1階、キッチン設備のるレンタルスペースでお披露目会の様子

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 北本の新しい可能性を生み出す、まちづくりのチーム「暮らしの編集室」が2月22日、シェアキッチンやスペースとして利用可能な活動拠点「ケルン」(北本市中央)を開いた。

地元野菜をふんだんに使った料理、コーヒーやクラフトビール、パンなどが並んだ。

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 北本市役所近くの空き物件を活用した同施設。「自分の好きを表現するシェアキッチン&リビング」として場所を使ってもらい期間限定の店舗やイベント会場として運営する。1階はキッチン設備を備えたレンタルスペース(1日6,000円~)、1日のみチャレンジ出店(1日3,000円~)にも応じ、2階は2部屋を設ける。

 地域が持つ知識や経験、時間を共有して「人と人」「人と地域」がつながり、北本らしい共感性を育むことを目的に、「開業を目指す人」や「北本で何かやりたい人」の気持ちを応援、後押しできるような場所として開いた。ケルンとは登山道にある石を円錐状に積み上げたものを指す言葉に由来。石を積み上げ道標を作り上げるように、同店での時間の積み重なりが街の道標になるようにとの願いが込められている。

 22日は「ケルンお披露目会」として同施設改装に関わったワークショップ参加者やクラウドファンディングの支援者、プロジェクトを応援する市民ら約40人が参加。図面設計から始まり、ほぼDIYで改装したという店内には北本産のトマトや赤カブ、ブロッコリー、菊芋、菜の花など地元野菜をふんだんに使った料理が並び、コーヒーやクラフトビール、以前同じ場所にあった店のパンなどが振舞われた。

 改装のワークショップに参加した小学生は「しっくいの壁を塗った、難しかったけど面白かった」と話し、父親は「体験を楽しんだ様子、興味が増えて地元愛も育っている」と話した。都内から来た女性は「企画が面白そうだったのでクラウドファンディングで支援した。北本に来たのは初めて。住宅街だけど人が集まりそう、ここでマルシェとかワークショップがあったら、また来たい」とほほえんだ。プロジェクトを応援するボランティアスタッフは「面白いことをやってくれるので、毎回手伝うのが楽しみ。ここは学生の通学路になっているから、若い人たちにも興味を持ってもらえるのでは」とも。

 2019(平成31)年4月に始まった同チーム「暮らしの編集室」は、世代や立場、地域を超えて考える市民参加型ワークショップ「きたもと未来会議」を開き、これまでに市役所の芝生広場で開くマルシェ「みどりといち」や市内の気になる空き物件を調査する「空き物件ツアー」など、参加者らの意見から活動を実施。「ひと」と「まち」をつなぐ役割を持ち、空き店舗や空き家を「街の未来を育てる場」として新しい街の可能性を生み出す考え。家主と利用者、不動産をつなぐウェブサイトを運営する。「ケルン」の家主、清水さんは「若い人たちが街を元気にしようと動いていることがうれしい。何でも自分たちでやろうってすごいよね、楽しみだ」と笑顔を見せていた。

 メンバーの岡野高志さんは「今までイベントを中心に活動してきたが、北本の魅力を知ってもらうためにはイベント時だけでなく日常的にまちと関わることが大切。ケルンを拠点に文化的な活動を行い、小さなつながりとその時間を増やしてまちのコミュニケーションを活性化させたい」と意気込む。「北本でお店をやってみたい人や引っ越したい人、空き家・空き地を持っている人、手伝いたい人など、何かやりたい人は気軽に相談してもらえれば」とも。

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