深谷市幡羅地区の国道17号線沿いで現在、河津桜が満開の見頃を迎えている。
国道沿いにズラリと並んだ桜の木は、河津桜や大寒桜、しだれ桜など、植樹から10年以上のたっぷりした枝ぶりの桜もあれば、今年植えられたばかりの若い木もある。地区の有志で結成した地域ボランティア「幡羅清掃倶楽部」のメンバーが2000(平成12)年から植樹や手入れなどを行っている。
同団体代表の平井克己さんは「以前はイチョウ並木があった」と話す。農業用水の確保などで歩道が整理された後、芝生ばかりだった場所へ河津桜が植樹された。初めは10本程度だったが寄贈する人が出てきて年々増え現在は40本以上になっている。昨年は4本、今年は2本新たに仲間入りした。平井さんは「桜に自分の子どもや孫の名前を付ける人が多い。桜の成長を一緒に見守ってくれている、いわば後援会みたいなもの」と話す。
今年の開花は早く2月中旬から始まり、下旬には見頃を迎え現在も満開が続いている。桜の下にはところどころ、ベンチやテーブルが配置してあり、天気の良い日には人が集まり、お茶を飲んだり弁当を広げたりする姿が見られる。桜の間には季節ごとにチューリップやクロッカス、マツバボタン、菊、水仙などの花も植えられている。メンバーらは時間があれば足を運び、水やりや肥料の補充、草取りなをど1年通じて行っている。
平井さんは「散歩やジョギングで通る人、ウオーキングをする人、子どもたちの通学路にもなっていて、ここで作業していれば誰かに会って話をする。それが楽しい。顔なじみになれば一緒にゴミを拾おうとか登下校する子どもたちを見守ろうとか、地域のつながりができる。皆さんの応援が私たちの活動を支えてくれている」と笑顔を見せる。