星川夜市実行委員会が現在、実店舗の店先の歩道を利用してテラス席を設置する試みを行っている。
2018(平成30)年10月から毎月開いてきた熊谷のナイトバザール「星川夜市」の一環。コロナ禍で困窮する事業所や個人事業主の姿に何かできないかと、テラス席利用を実験的に始めることにした。
新型コロナウイルスの影響を受けている飲食店への路上利用支援策として、国土交通省が期間限定で国道の占用許可基準を緩和したことによる同試み。店先の歩道に座席を設けることで、密になることを避けながら店内で減らしている座席数の確保につながることを期待する。占有範囲は歩行者の安全や円滑な通行に配慮した上で現場立ち会いの上で決定、周辺の清掃などに協力することで占用料を免除する。
県内初の施策活用店となった煎茶のテークアウト専門店「108 ocha stand(いちまるはち お茶スタンド)& share space トナリノ、(シェアスペーストナリノ、)」(熊谷市鎌倉町)では店先の歩道に手作りの椅子とテーブルを設置した。
八木橋百貨店の向かいにあり、白地に緑色の字で「コッペリア」「梅月堂」と書かれた昔の看板が目印の同店。空き店舗物件を活用し以前あった店の雰囲気を残しつつ煎茶専門店とシェアスペースとして生まれ変わった。
テラス席を設けて約1カ月、店主の八木奈都子さんは「常連客が座ってくれたり、たまたま通りがかった人が涼んでいったり、いろいろな使われ方があっていい。外から見ても何の店か分かりにくい店も、テラス席を利用してもらうことで店の雰囲気を感じてもらい、入りにくさを軽減できるかもしれない。飲食店に限らず、販売ワゴンなど設置したらいいと思う」と話す。
星川夜市実行委員会では今後、取り組みの輪を広げていきたい考え。八木さんは「星川だけでなく、市内のあちこちで取り組みが行われることで、いつもとと違うにぎやかな町の風景を楽しむことができる。訪れた人たちがテラス席で通りを眺めたり市内を回遊したりするきっかけになれば」と期待を寄せる。
11月30日まで。