熊谷市国際交流協会が現在、「第28回外国人による日本語スピーチコンテスト」に出場した11人のスピーチ動画をユーチューブで公開している。
同コンテストは熊谷市内および近隣に在住・在勤・在学している外国人が市の印象や母国と比べた習慣の相違など、感じていることを日本語で伝えるとともに、市民が外国人の考え方や文化などの相互理解を深め国際理解を促進するため1993(平成5)年度から開催。毎年20人近く出場し、約150人の観客が集まる。
今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で実施した。当日会場で収録した映像で審査が行われ、最優秀賞をはじめとする入賞者が決定。授賞後インタビューも含め「多くの人に見てもらいたい」と動画配信サイト「ユーチューブ」で公開している。
出場者は11人。在日7カ月~4年、6カ国(アメリカ・インドネシア・スリランカ・中国・ニュージーランド・ベトナム)から、日本で暮らして感じることや驚いたことをはじめ、考え方の変化や気付いたことなど自らの思いや考えを力強く発表した。新型コロナウイルス感染症に関するテーマも多く見られた。
最優秀賞はインドネシアから来たリザル ヌルマワンさん。「新型コロナウイルス」について話し、以前とは異なる生活の中で自分たちにできることは何かを説き「誰かのせい、とお互いを非難する時ではなくコロナは人類の敵。みんなで協力しなくてはいけない。忘れないで、これはみんなの未来のために」と呼び掛けた。受賞を受けてリザル ヌルマワンさんは「信じられなかった。日本が好き、これからも日本のことを勉強したい」と話した。
同協会の新井美智榮さんは「毎年行っているこのコンテストは日本語を学ぶ人たちにとって大切な発表の場。コロナ禍で無観客開催だったが、どのスピーチも熱意があり多くの人に見てもらいたいとスピーチ動画を配信することにした。毎年観覧を楽しみにしている人はもちろん、出場者の故郷にも本人の活躍する姿を届けられると思う」と笑顔を見せる。