街路灯に着脱式テーブルを設置しテークアウト飲食を可能にする「ガイトウテーブル」の設置が4月10日、熊谷のナイトバザール「星川夜市」で始まった。
「心地の良い日常」をテーマに植栽とガーデンファニチャーを設置した休憩所
毎月第2土曜に開いている「星川夜市」は、熊谷駅近くの星川通り、片側約200メートルを車両通行止めにして飲食店や手作り品販売など市内外から20~30店が出店する定期イベント。野外ライブやイベント企画のほか、企業や近隣大学と連携した社会実験なども行われ、にぎわいを創出すると共に「まちづくり」の実践の場としても活用されている。
「ガイトウテーブル」は直径60センチ、厚さ18ミリの着脱式テーブル。立ち飲みスタイルで飲食できる。表面は滑らかで反りにくく、丈夫で軽い木材(シナランバー)を使い、半円の板2枚を街路灯の両側から挟み込むように取り付ける仕組み。利便性に優れ、コロナ対策で「3密」を避け、新しい飲食スタイルを提案する。
きっかけは昨年末に行われたまちづくりプロジェクト「熊谷・街・妄想ワークショップ」の参加者から「星川夜市」とコラボして何か制作しようと声が上がったことから。来場者の飲食場所が課題になっていた夜市実行委員会が賛同し、星川を眺めながら飲食できるテーブルを作ることにした。建築士の森智弘さん(ファンスタイル一級建築士事務所)が設計し、テーブル装飾はガラス作家の各務ひとみさん(各務ガラス工房)が協力。事前に行ったワークショップで参加者が自由にデザインしたガラス装飾をはめ込んだ。
当日は星川沿いに9台の「ガイトウテーブル」が設置され、来場者が飲み物を置いて立ち止まったり、テークアウト商品を広げて食事をしたりする姿が見られた。飲み物を手に「ガイトウテーブル」にとどまった男性は「物を置くのにちょうどいい位置。手に取りやすくてビールも飲みやすい」と話していた。
「ガイトウテーブル」同様に初の試みとなったのは、来場者の休憩場所としてJTが設置する喫煙所前のガーデンエリア。「心地の良い日常」をテーマにラタンのガーデンソファやテーブル、松の切り株を囲むようにモミジやコナラ、桂など40本以上の樹木や花苗を配置した。夜市には家族連れも多く、川沿いに座り込む子どももいる。担当した堀久恵さん(花音の森)は「植栽とガーデンファーニチャーでリラックスして飲食できる空間を提案した。子ども連れだと立ち止まる場所も迷うし気になると思う。ゆったりした低めのソファや切り株に座って、花や樹木を見ながらリラックスしていただければ」と笑顔を見せる。
実行委員会のスタッフは「ガイトウテーブルも休憩所も来場者の声や実行委員会のスタッフ、まちづくりに関わる方の気付きから実現した取り組み。依頼があれば貸し出しや商店街に常時設置など、この取り組みが広がっていくことを期待したい。星川夜市では今後も社会実験的な活動を増やしていく予定なので、試してみたい人やチャレンジしたい人は気軽に声を掛けて」と話す。
次回は5月8日。