埼玉パナソニックワイルドナイツが8月30日、熊谷スポーツ文化公園内の新拠点「さくらオーバルフォート」でホーム移転後初の練習を行った。
グラウンドが見渡せる「熊谷スポーツホテルパークウィング」の4階客室
今月から本拠地を太田市(群馬県)から熊谷市に移し、来年1月に始まる新リーグ「ジャパンラグビーリーグワン」で初代チャンピオンを狙う同チーム。午後から行われた初のチーム練習には30人の選手が参加、強い日差しの中、約90分にわたり汗を流した。
埼玉県ラグビーフットボール協会が建設、所有、施設管理する「さくらオーバルフォート」は熊谷ラグビー場西側、約3万平方メートルの新エリア。天然芝のグラウンドを挟むように同協会事務局や埼玉パナソニックワイルドナイツのクラブハウスのほか、誰でも利用できるカフェ(9月下旬オープン予定)も併設する「管理棟」と、約300人が宿泊できる「熊谷スポーツホテルパークウィング」やチームストア(以上、9月11日オープン予定)、女子ラグビーチーム「アルカス熊谷」の事務所から成る「宿泊棟」がある。管理棟の隣には天井高8メートルでラインアウトの練習も可能な屋内運動場を新設した。
練習に参加した熊谷市出身の山沢拓也選手は「高校時代、ここはアップ場所だったので、同じ所でチーム練習を行うのは不思議な感覚。地元で知り合いに会ったら恥ずかしい気もするがたくさんの人に見に来てもらいたい。新リーグに向けてチームとしてトップを目指すことはもちろん、今まで以上に見ている人を楽しませるプレーをしたい」と意気込む。昨年新人賞を受賞した竹山晃暉選手は「文句なしの設備で、ラグビーに良い環境を作ってもらった。公園内にあって見に来てくれる人と距離が近い。地域の皆さんにチームやラグビーを知ってもらい、応援してもらうきっかけになれば」と笑顔を見せた。
パナソニックワイルドナイツ広報担当によれば、チームの練習は今後毎日のように行われる予定で、許可エリア内で見学可能。動画や写真撮影については全体練習の時間を撮影不可としている。
県ラグビーフットボール協会の島村英昭事務局長は「ラグビーW杯のレガシーを継承し、チームと行政、競技団体がスクラムを組んでここまできた。これからは開かれた場所で毎日のように選手たちを見てもらえる。ラグビー文化の発信拠点として、皆さんに親しんでもらえるよう盛り上げていく」と意気込む。「埼玉パナソニックワイルドナイツのホームスタジアム。市内県内、周辺地域の皆さんが一体となって応援してもらいたい」とも。
「熊谷スポーツホテルパークウィング」はグラウンドが見渡せるスイートルームをはじめ、ツインルーム、シングルルーム、遠征や合宿を想定したボックス(カプセル)ゾーンを用意。多目的ホールや宴会場、レストラン、スパ、リフレッシュスタジオも設ける。馬場薫平支配人は「選手しか泊まれないのではと問い合わせいただいているが、どなたでも利用してもらえる。近隣の方や公園でランニングなどする方に向けてスパの日帰り利用も考えている」と話す。