深谷市立常盤小学校で9月29日、大河ドラマ本編後にゆかりの地を紹介する大河ドラマ紀行「青天を衝(つ)け紀行」の音楽演奏収録が行われた。
収録の様子。新型コロナ対策として空間を仕切り、楽器使用前後にはアルコール消毒を徹底した
演奏したのは6年生106人。現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」のテーマ音楽を同校のために編曲した「深谷市立常盤小学校鼓笛隊スペシャルバージョン」としてリコーダー、鍵盤ハーモニカ、キーボード、ベルリラ、アコーディオン、ドラムからなる特別編成で演奏した。
新型コロナ対策としてパートごとに間隔を空け、パーティションで空間を仕切り、楽器使用前後にはアルコール消毒を徹底。換気しながら収録を行った。児童らは大勢のスタッフと撮影機材に囲まれて緊張の面持ちだったが、前日にも鼓笛隊を指導した音楽編曲の上野友裕さんが「いい。すごくいい、その調子」「練習の成果が出ている」「緊張すると僕も指揮が早くなっちゃうから気を付けないと」などとリハーサルから積極的に声を掛けて、場を和ませた。「本番です」の声に児童の視線は指揮に集中し、ドラムの力強いリズムとホイッスルの音で演奏本番収録が始まった。
1回目の収録直後、収録を見守っていた作曲者の佐藤直紀さんが「OK、素晴らしい」と会場に駆け込んできた。「彼らにしかできない、生き生きした演奏だった」と佐藤さん。子どもたちに向けて「皆さんの気持ちが入ったいい演奏だった。放送を楽しみにしていてほしい。コロナ禍で行事が思うようにできないなど厳しい状況が続いているが、今日の経験がいい思い出になったらうれしい」と笑顔を見せた。
収録を終え、児童からは「難しい曲だったが、本番気持ちよかった」「皆で合わせて演奏できて楽しかった」「練習の成果が発揮できた」「100点満点の出来だったと思う。クライマックスに向かって盛り上がっていくところを聴いてほしい」などの感想があった。佐藤さんと上野さんに花束を手渡した児童会メンバーは「たくさんのことを教えてもらい、前よりも音楽が好きになった」「私たち6年生の最高の思い出になった」と感謝の言葉を伝えた。
練習期間は7月から約3カ月、コロナ禍の中で工夫して練習を進めてきた。柴崎千穂校長は「児童の命を最優先に考えコロナ対策を徹底しながら職員らと練習方法を模索した。個別練習中心でオンライン練習は1日のみ、全体練習は数えるほどだったが、子どもたちの演奏は練習のたびに磨きがかかって収録も立派だった。3カ月でよくぞここまでと子どもたちの頑張りに感動している」と話した。「この経験を基に、コロナ禍でできないことを嘆くより、今できることを考え、逆境に負けず立ち向かっていく力を付けていってほしい」とも。
収録した演奏は12月以降放送される予定。