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深谷で「特定家畜伝染病防疫演習」 防護服着る体験も

防疫服の着脱手順を体験する市職員。作業者がウイルス感染しないために、二重の防護服を着て、帽子、マスク、ゴーグル、二重の手袋をつける。足元は靴カバーをつけて長靴を履く

防疫服の着脱手順を体験する市職員。作業者がウイルス感染しないために、二重の防護服を着て、帽子、マスク、ゴーグル、二重の手袋をつける。足元は靴カバーをつけて長靴を履く

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 「令和6年度特定家畜伝染病防疫演習」が7月29日、深谷市役所本庁舎(深谷市仲町)で行われた。

疑似患畜が確認された時点からの防疫作業の流れを説明

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 深谷市産業振興部農業振興課が、市職員を対象に開いた家畜防疫演習。県内トップの畜産業産出額を誇る同市は、過去に豚熱、高病原性鳥インフルエンザが発生した際、市職員114人を防疫作業員として動員した。同課特産係長の荒木守さんは「2022年の発生時は、私も作業に参加した。早期終息のためには、農業系の職員だけでなく、他部署の職員にも防疫対応について理解を深めてもらい、作業に協力してもらうことが必要」と今回演習を企画した。市町村が主催する家畜防疫演習は埼玉県内初めての試み。

 当日は市職員100人が参加。特定家畜伝染病について過去事例と防疫対応、県職員との連携、市職員の役割と手順について説明を受けた後、市内養鶏場で高病原性鳥インフルエンザ発生を想定したシミュレーションを行い、防疫作業内容についてタイムラインで作業の流れを卓上演習で確認。演習後半は一部職員が実際に防疫作業で身につける防護服の着脱手順を確認した。実際に防護服の着脱手順を体験した渋沢栄一政策推進課の関口大輔さんは「防護服は暑かった。実際に着てみて良かった。深谷市は鶏や豚を飼育している方も多いので、発生することを想定して職員として業務をしていかないといけないなと思った」と話す。

 荒木さんは「特定家畜伝染病が発生した際の風評被害を最小限に抑えるためにも、参加した職員には正しい知識を持って迅速な対応が取れるように演習で習得した内容を他の職員にも共有してほしい。10月から高病原性鳥インフルエンザ発生するシーズンを迎えるので、県からの要請があった時に、市としてすぐに防疫体制が整えられるように準備をしたい」と話す。

 特定家畜伝染病は「牛疫」「豚熱(CSF)」「アフリカ豚熱(ASF)」「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)」など。「特に総合的に発生の予防およびまん延防止のための措置を講ずる必要があるもの」として農林水産省令が定める。特定家畜伝染病防疫指針によると、発生農場で疑似患畜と確定されてから24時間以内に鶏の殺処分を行い、殺処分終了後から72時間以内に死体を焼却または埋却を完了することとされているが、実際には時間内で終えることは難しい。2022年12月、同市で発生した採卵農場(飼養羽数19万羽)の防疫措置は7日間かかっている。

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