行田市が11月11日、「行田タワー」展望室に田んぼアートパネルを寄贈した「旭工榮」(行田市行田)に感謝状を贈った。
行田市役所で行われた贈呈式には、「旭工榮」の古澤憲雄社長、鈴木俊雅専務、伊藤大輔取締役、嶋津伸明技課長が出席。行田邦子行田市長は感謝状を読み上げ、「本市の地域活性化に貢献するため、意義ある寄付をされたご好意に対し、深く感謝の意を表します」と伝えた。
2008(平成20)年から始まり、2015(平成27)年には「世界最大の田んぼアート」としてギネス世界記録に認定された行田市の田んぼアート事業。水田をキャンバスに見立てて色彩の異なる複数の稲を植え付けることで文字や図柄などを表現する。これまでにアニメ「アオアシ」や映画「翔(と)んで埼玉」とのコラボ、浮世絵と歌舞伎、今年は元旦に発生した能登半島地震の復興を応援する「がんばろう!能登 日本遺産 キリコ祭り」のデザインで、巨大な灯籠(キリコ)とちょうちん、花火、高校生書道部の筆を写し取った。
行田市の建設コンサルティング「旭工榮」は、2010(平成22)年から毎年、イメージ案から設計図を起こし、測量してポイントに杭(くい)を設置、ロープでつないで稲の種類で色分けする田植えの準備を行っている。「地域の取り組みを盛り上げよう」とこれまでにも田んぼアートの写真パネルを市へ寄贈してきた。今回の寄贈パネルは、2021年から2024年まで3年分計6枚。見頃を迎えた田んぼアートの写真と、設計図をそれぞれ縦84.1センチ、横1メートル18.9センチのA0サイズで額に入れた。行田タワー展望室に展示し、観光客に田んぼアートの魅力を伝える。
「地域の魅力発信に貢献できることがうれしい」と古澤社長。行田市長は「田んぼアートは市の重要な観光資源。貴社の支援でより多くの方に田んぼアートの魅力を伝えることができる」と話す。
同社によると、製作技術も年々向上し、遠近法を考慮した精密な描写が可能になっているという。同社の鈴木専務は「毎年新しい課題に挑戦しながら、田んぼアートの製作技術を磨いている。これからも地域と協力しながら、より魅力的な作品つくりをサポートしていきたい」と意欲を見せる。「社員もボランティアスタッフとして田植えに参加するのを楽しみにしている」とも。