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行田で「田んぼアート」田植え 能登半島地震の復興を応援

田植えボランティアの様子(8日)。「復興祈願」の「願」部分を植える参加者ら

田植えボランティアの様子(8日)。「復興祈願」の「願」部分を植える参加者ら

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 「2024『田んぼアート』in行田」の田植え作業が6月8日・9日、行田市・古代蓮(はす)の里(行田市小針)古代蓮会館の東側水田で行われた。

田植え体験の様子(9日)

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 2008(平成20)年に始まり、2015(平成27)年には「世界最大の田んぼアート」としてギネス世界記録に認定された行田市の恒例行事。田んぼをキャンバスに見立てて色彩の異なる稲を植え付け、文字や図柄などを表現する。今年のテーマは、「がんばろう!能登 日本遺産 キリコ祭り」。1月1日に発生した能登半島地震の復興を応援しようと、能登地域を代表する伝統的な祭礼「キリコ祭り」から、最大ビル4階程度の高さという巨大な灯籠(キリコ)とちょうちん、祭りに思いを込める地元民、花火などをデザインする。それぞれのキリコとちょうちんに入った「能登」「復興祈願」「日本遺産キリコ祭り」「がんばろう!」の文字は、県立能登高校書道部の作品を写し取った。

 8日は絵柄部分を植える中学生以上の田植えボランティア574人、9日は背景部分を植える田植え体験の246人が参加。田んぼ内に立てた5785本のくいに沿って、背景を描く「彩のかがやき」や赤色の「べにあそび」、黒色の「むらさき905」、白色の「ゆきあそび」などの苗を植えた。

 田植え体験の開会式で、参加者に地震当時の様子を話した珠洲市出身の男性は「田んぼアートの取り組みに勇気づけられた。皆さんの思いが避難している方々に届くと信じている。ぜひ稲を植える時には、『頑張れ、頑張れ能登』の気持ちで植えてほしい」と呼びかけた。文字の部分、「復興祈願」の「願」を担当した「さいたま走友会」のメンバーは最寄りの北鴻巣駅から走って会場を訪れた。メンバーの男性は「まだまだ復興への道のりは遠いと聞く。応援したい」と話し、メンバーの女性は「見頃の頃もまた走って見に来たい。自分で植えた所は見え方が違うと思う」と笑顔を見せた。

 行田市の建設コンサルティング「旭工榮」が毎年、「田んぼアート」のイメージデザインから設計図を起こし、田植えの目印になるくいを打つ作業を担当している。同社チーム責任者の内田武志さんは「稲が成長して見頃を迎えた時、地上50メートルの展望台から最もきれいな絵に見えるように設計している。今年は特に、書道作品の文字の表現が難しいところ。田んぼアートを見た人が元気になることを願っている」と話す。「今後もレベルアップを目指し、地域と共にある企業として地域の活性化に貢献したい」とも。

 色とりどりの稲が生育して見頃を迎えるのは7月中旬以降。隣接する古代蓮会館にある高さ50メートルの展望タワーから田んぼアート全体を眺めることができる。今年は入館料のうち10円を義援金として石川県に送るほか募金箱も設置。祭りを知ってもらおうと「キリコ」の展示も予定する。

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