
コミュニティーFM放送局「FMクマガヤ」のサテライトスタジオが、ものつくり大学(行田市前谷)図書館・メディア情報センターに開設され、10月25日に放送が始まる。
FMクマガヤとものつくり大学との覚書締結式。ものつくり大学理事長土屋喜久さん(左)とFMクマガヤの栗原謙一社長
熊谷市と行田市を放送エリアとするFMクマガヤ。「行田市にサテライトスタジオ設置を」と長年の思いがあったという。地域に根差した情報発信を目指す同局と、地域連携を重視する同大との連携で実現する。FMクマガヤの栗原謙一社長は「コミュニティーFMは地域と人を結びつけるハブであり、そこに若い力が加わることで、まちをもっと元気にすることができる」と話す。
放送開始は同大学園祭「碧蓮(へきれん)祭」初日の10月25日。パーソナリティーの野原のぼさんと同大技能工芸学部建設学科4年の和田燿(ひかる)さんらが公開生放送を行う。学生や教職員がラジオ出演し、「碧蓮祭」の出展PRやサークル活動、研究活動などを発信するという。國分泰雄学長のあいさつ、図書館・メディア情報センター長の井坂康志さんと栗原志功さんによる「ドラッカー学会」のPRも行う。
サテライトスタジオ設置のきっかけは2024年12月のこと。栗原社長がサテライトスタジオ設置場所を探していた時に、行田のまちづくりプロジェクトに携わる同大の今井弘教授から提案されたことから。
今年7月に承認され、10月10日には覚書締結式を行った。同大企画広報課長の岩崎(崎はたつさき)一真さんは「当初、サテライトスタジオの設置場所として学食が候補に挙がったが、スタジオになるような区切られたスペースがないという課題があった。図書館内のグループ利用室であれば放送時のみ機材を設置し、終了後に片付けることができ、グループ利用室としての機能も維持できる。特にものつくり大学の学生である和田さんがFMクマガヤのパーソナリティーを務めていることが大学とFMクマガヤの橋渡し的な存在となった」と話す。和田さんは「こんなに早く話が進んで驚いている。碧蓮祭の公開生放送では、碧蓮祭に携わる人や団体の魅力を伝えたい」と話す。
井坂さんは「ものつくり大学は行田市唯一の大学。ラジオは学生の目を地域に向ける起爆剤になる可能性を持つ。ラジオを介して大学と地域社会の絆を確認したい。ものつくり大学の特性を知ってもらい、地域に開かれた大学にしていきたい」と話す。「ボイスを通じて体温の伝わるラジオの特性を最大限生かして、学生と共に挑んでいきたい」とも。
栗原社長は「行田市は総務省が許可する放送エリアだが、『FMクマガヤ』を知らなかったり、聞いたことがなかったりする人が多いので、行田市内に拠点を置くことでリスナーを増やしたい。将来的には街なかにもスタジオを置き、学生や市民が放送を行っていけたら」と意気込む。
10月25日の放送時間は11時~17時。10月29日以降は毎週水曜の11時~17時に放送予定。