第105回全国高校ラグビー埼玉大会予選決勝が11月15日、熊谷ラグビー場で行われ、昌平が熊谷に36-22で勝利した。地元・熊谷は惜しくも敗れた。
12月に花園ラグビー場で行われる全国大会の出場校を決める一戦。今回は記念大会のため埼玉県から2校が出場する。埼玉県第1地区は昌平が35年ぶりに決勝へ駒を進めた熊谷に36-22で勝利し、2年連続6回目の優勝となった。第2地区は慶応志木が川越東に21-19で競り勝ち初優勝し、初の花園出場を決めた。来場者数は、第1地区決勝=4000人、第2地区決勝=2100人。第1地区には熊谷(高校)の生徒800人以上が応援に駆け付け、大声援を送り続けた。熊谷在住のOBは「感動した。県外からもOBが来てくれていて盛り上がった」と話す。
第1地区決勝戦は、前半2分に小林大真選手、同6分に野辺銀汰選手がトライ。ゴールも決め熊谷が14点を先制した。昌平に追いつかれるも同26分には塚田徳真選手がトライし5点リードで折り返す。後半5分、昌平のトライで逆転された後、ペナルティーゴールで2点を返したが、3トライ差を付けられた熊谷は惜しくも敗れた。
公式戦で何度も対戦してきた昌平との戦いを振り返り、「35年ぶりの決勝進出はうれしいが、本気で勝つ準備をしていたため悔しさが大きい」と話す熊谷の横田典之監督は「相手の力は把握していたが、戦い方次第で勝機はあると考えていた。後半はアタックとボール保持の時間が増えた一方でディフェンスの時間も伸び反則が増加した。失点は反則がきっかけだった」と分析。チームの成長については「3年生がチームをけん引してくれた」と説明する。
チームは、今年から選手自身が練習を設計運営するという新しい形に挑戦。リーダーを中心に練習メニューを考え、試合の組み立てまで選手主導で行うことでリーダーシップが育まれ、まとまりある自立したチームに成長したという。横田監督は「選手の予想以上の成長がチーム全体の伸びにつながり、指導者としても新しい学びとなった」と話す。
同部の決勝進出は近隣住民の注目も集めた。同部保護者会の野辺敏之会長は450枚以上のチケットをブースで販売したと明かし、「生徒以外の来場者も多く、幅広い観客層の動員につながった」と説明する。「チームの目標は『みんなから応援されるチーム』。選手たちは礼儀正しく謙虚な姿勢が将来的な応援につながると信じている。皆、全力を出し切ってやり切ったと思う。悔いはないはず。お疲れさまと伝えたい」とも。