立正大学硬式野球部(熊谷キャンパス)が11月10日・11日、神宮球場で行われた東都大学野球リーグ1部2部入れ替え戦で駒澤大学に連勝し、2021年春以来9季ぶりとなる1部リーグ昇格を決めた。
2025年秋季2部で優勝した立正大学野球部は、入れ替え戦で駒澤大学と対戦。第1戦は延長12回、1年生捕手のサヨナラ打で劇的な勝利を収めた。翌日の第2戦も劣勢をはね返し、終盤に逆転して連勝。10季目で1部復帰となった。
同部は2021年春季を最後にリーグ2部へ降格しており、現4年生は入学した年から4年間、1部昇格を合言葉に鍛錬を重ねてきたという。2022年、コーチから監督に就任した金剛弘樹監督は「監督1年目に入学してきた現4年生と共に、土台づくりから、厳しいことも含めて積み上げてきた結果がようやく形になった」と振り返り、引退学年が築いた「良いチーム」への感謝と喜びを繰り返し口にする。一方で「東都1部は日本でトップレベルのリーグ。昇格した瞬間から『守る立場』として勝ち残らなければならない責任を強く感じている」と話し、新シーズンに向けた準備の重要性を強調した。
チームの躍進について、金剛監督は「現4年生が常に1部昇格の目標を口にし、どんな環境や苦しい状況でもぶれずに前を向き続けたことが一番大きい。その姿勢がチーム全体の一体感と自信につながった」と話す。「彼らからすると、ずっと2部で戦い続けて、最後に1部昇格を置き土産として残してくれた形。複雑な思いもあると思うが、本当によくやってくれた」とねぎらう。昇格決定当日に熊谷のグラウンドで行った最後のミーティングでは、感謝とともに「目標を掲げてぶれずにやり続けた姿勢は、社会に出ても必ず評価される」ことを伝えたという。
入れ替え戦の2試合には品川・熊谷両キャンパスから多くの関係者が神宮球場に駆け付けた。金剛監督は「シーソーゲームの展開の中で、野球の神様がついていると感じるような流れになり、スタンドからの声援が最後の後押しになった」と話す。「熊谷はラグビーをはじめスポーツが盛んな地域で、野球部も他競技の試合を応援に行くなど、熊谷のスポーツから刺激をもらいながら活動している。地域全体の盛り上がりがチームのパフォーマンス向上にもつながっている」とも。
地域との関わりでは、12月13日に熊谷商業高校の野球部と共に熊谷駅周辺や星川通りで早朝の清掃活動を予定し、同日野球教室を開く。
同大熊谷キャンパス内のグラウンドで行われる野球部の練習は誰でも見学可能。金剛監督は「立正大の練習を見に来てもらい、応援したい推しの選手が一人でも増えれば。来春から始まるリーグ戦は神宮球場で応援してほしい」と呼びかける。