忍城址公園やレトロなカフェ、遊歩道を花で飾る「フラワーフォトスポット」の取り組みが現在、行田市内で行われている。
新型コロナや資材高騰の影響を受けている花き農家を応援しようと、行田市が取り組みを進めている「花いっぱい運動」の一環。地元産の花を使って市内にフォトスポット設置や花装飾を行い、市民や観光客に癒やしを提供しようと企画した。ものつくり大学とテクノ・ホルティ園芸専門学校が協力している。
3カ所あるフォトスポットのうち、水城公園内のカフェ「Vert Cafe(ヴェールカフェ)」前と、市役所と忍城址を挟む東小路西側出入り口の2カ所には「花飾建築」と題して「建物を花で装飾しているように見えるフラワーフォトスポット」を設置。建築現場の足場に使う単管で骨組みを立て、加工した花用のトレーにベゴニアやなでしこ、ビオラなどの花やハンギングを配置した。
カフェ前と東小路西側出入り口のデザイン制作を担当したものつくり大学技能工芸学部建設学科大竹研究室4年の笠倉圭介さんは「写真を撮ると建物に花が装飾されているように見え、フォトスポットの中にいる人も花に囲まれた空間を楽しむことができるのがポイント」と話す。同研究室の大竹由夏講師は「立体感を出すために、ヴェールカフェ前の花台は手前が小さく奥が大きくなるように設計し、忍城東小路は松の木を取り入れる設計になっている。たくさんの方に見てもらいたい」と呼びかける。
定期開催している「花手水(はなちょうず)week」や「花手水ライトアップ」と連携して地域のさらなる魅力向上につなげる狙いもあるという。忍城址公園内の高麗門前には、200個以上の大小さまざまな木枠を積み上げたフラワーフォトスポットを設置。「花手水week」期間に展示し、「花手水ライトアップ」の際は花手水や竹灯篭と同様に、明かりを配置して花を浮かび上がらせる。
忍城址公園内のデザイン制作を担当した同大大学院1年の三森公威さんは「お城の和の雰囲気に合わせて黒い花枠を用意した。高低差を付けて花を見やすく、高麗門へ向かって手前から徐々に高さを出すように配置している。10月1日にライトアップもあるので番傘や公園内の装飾と合わせて楽しんでもらえたら」と話す。
フォトスポットは2023年3月まで毎月1回、花を入れ替える。市では今後、市庁舎南側にある「浮き城の径」の花手水や遊歩道の装飾も行う予定という。