熊谷市出身のイラストレーター・ことなさんの作品展「ことな展」が2月8日、八木橋百貨店(熊谷市仲町、TEL 048-523-1111)5階アートサロンで始まった。
「ことな展」の来場者を迎える熊谷市のマスコットキャラクター「ニャオざね」
熊谷市のマスコットキャラクター「ニャオざね」の生みの親でイラストレーター・挿絵画家のことなさん。同サロンで作品展を開催するのは2度目。
展示テーマは「人間」。ことなさんは「コロナの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻など大変な情勢下でも日常を送る人をいろんな視点で描いた。『祈ったり、一緒にいたり、さよならしたり、考えたり、ただ存在したり、それでも前に進み、自分の生き方を見つけること』や、自分たちがどんな時代にいるかを考えることの大切さを表現した」と話す。
展示作品は68点。編み物をする女性を描き、日常の大切さを表す「あなたのために」、戦争やコロナ禍など「つらく大変なことがあっても、好きなことを続けてほしい」という思いを表現した「オデット姫」、イラストとメッセージで3姉妹のそれぞれを描いた「マルグリット」「アルベルチーヌ」「エーデルワイス」のほか、昨年、「熊谷うちわ祭」の直後に描き上げたという「うちわ祭り年番送り」などの作品が並ぶ。作品は全て購入可能。ことなさんは「イメージの中を泳ぐように頭に浮かんでいるものを描いている。手が自然に動き、絵を描いている瞬間は幸せを感じる」という。
取材当日、来場した40代女性は「窮屈な世の中、気持ちがトゲトゲした時にことなさんの絵を見ると優しい気持ちになれ、癒やされる」と話す。ことなさんによると来場者の中には「明るく居心地がいいから」と会場内に数時間滞在する人や、1日複数回訪れる人もいるという。
ことなさんは「展示会を行うギャラリーが減っているのを感じる。描いたり表現したりすることは自分の使命だと思う。年齢関係なく皆さんに絵を見てもらい、明るく温かい気持ちになってほしい」とほほ笑む。「絵を描くことができる幸せに感謝しながら、これからも流れに身を任せて自然体でいたい。世の中が平和になりますように」とも。
開催時間は10時~18時30分。14日まで。