秩父鉄道・行田市駅の南口にあるビル1階に「madara/station/café(マダラ/ステーション/カフェ)」(行田市中央、TEL 090-5432-2091)がオープンして5月26日で1カ月がたった。運営はみずたま。
代表理事の小熊永枝さんは行田市で生まれ育ち、市内の児童養護施設で働いている。カフェをオープンしたきっかけについて、「自分自身も含めて、生きづらさを抱える人がいる。誰かが『助けて欲しい』と思った時、そっと手を差し伸べられるように、カフェやこども食堂を運営したかった」と振り返る。
活動拠点を探していた小熊さんは、秩父鉄道行田市駅南口に直結するビルの空き店舗を知り、「大きなガラス張りの窓で、外からも中が見える店なら誰でも安心して気軽に立ち寄れる。歴史ある行田市駅前においしいコーヒーやお茶を提供する場を作り、活動を広げていきたい」と決断。カフェをオープンした。店舗面積は約9坪。席数は、カウンター=3席、テーブル=3卓7席。仕事、勉強用に電源、WiFiを備える。
メニューは、モカとグアテマラを合わせたオリジナルブレンド「madara(まだら)ブレンド」(450円)をはじめ、「こだわり牛乳のカフェオレ」(500円)「アールグレイ」(450円)「紅茶の王さま ダージリン」(450円)、「高山烏龍(こうざんウーロン)茶」(500円)など、全てのメニューに小菓子を付ける。「牛乳」「オレンジジュース」「りんごジュース」(以上350円)も用意。小学生以下には全品を100円で提供。中学生以上は学生証の提示で全品100円を割り引く。
バリスタを務めるのは永枝さんの長男・憧さん。母親の熱意に打たれ、店に立つために「直火焙煎珈琲(じかびばいせんコーヒー)まめや忍」(行田市忍)で修業した。
店名には、あえて「/(スラッシュ)」を入れ、「まだら模様のような多様な人々=お客さま」「駅前ならではの交流の場」「コーヒー」が互いに良い関係を築いてほしいという意味を込めた。壁には元素記号や太陽系の惑星、世界地図のポスターを飾る。憧さんは「居心地のよさを感じてもらえるように、杉の木目と手塗りしたしっくいの壁でぬくもり感を出し、入り口から見たときに入ってみたいと思える空間にした」と話す。
オープンから1カ月がたち、来店客からは「駅前にカフェができ、バスやタクシー、電車の待ち時間にコーヒーやお茶を飲んで休憩できる場所ができてうれしい」と声がある。客から譲り受けた本やギター、おもちゃなども置き、店内の雰囲気には変化が見られる。憧さんは「ここに居ると、この町を愛している人の声を聞くことができ、行田の歴史やさまざまな情報を知ることができる。カフェを通じて多様な人が多様なままつながり、やさしくなれたら」と話す。
営業時間は11時~19時。火曜・水曜定休。