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熊谷で40年続いた焼き鳥店に承継者 元常連客、「秘伝のたれ」も

「オープンできたのも周りの人の協力のおかげ」と話す小宮根さん(左)と根本さん

「オープンできたのも周りの人の協力のおかげ」と話す小宮根さん(左)と根本さん

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 熊谷駅近くに焼き鳥店「鳥正」(熊谷市筑波、TEL 080-6365-5993)がオープンして3カ月がたった。

常連客だった小宮根さんが店を継ぐきっかけになったメニュー「ピーマンの肉詰め」。たたきと同じタネを使う

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 熊谷市内で40年以上にわたり営業したが2023年10月に閉店した旧・鳥正に代わって同年11月11日、新たにオープンした同店。旧店の店主だった根本明さんが継ぎ足しながら守ってきたという「秘伝のたれ」を屋号と共に常連客だった小宮根光さんが受け継いだ。

 新店は、飲食店が立ち並ぶ筑波中央通り沿いに店を構える。黒木目調の外観で、大きな鳥のシルエットに朱色の店名ロゴを掲げる。店舗面積は約44平方メートル。席数は、1階=カウンター5席、2階=座敷20席。店内の壁は抹茶色を使い、インテリアには竹を使う。

 メニューは、「ねぎ間」「皮」「ささみのワサビ焼き」「手羽先」「ピーマンの肉詰め」「たたき(つくね)」「ナンコツ」「ボン尻」「レバー」「砂肝」「しいたけ」「ししとう」(以上180円)などの焼き鳥メニューのほか、「鳥シューマイ」「一口チキンカツ」「串カツ」「もつ煮」「鳥正おでん」(以上500円)など。地酒や焼酎、梅酒、アルコール類もそろえる。

 昨年5月、きょうだいでタレントの俄然風太さんから閉店の話を聞いたという小宮根さん。「きょうだいで鳥正が大好きだったので、風太の『この味を残したい』という強い思いに共感した」と話す。飲食業は未経験だったが根本さんに頼み込み、隣で仕事を見ながら仕込みや焼き方を覚えた。「根本さんは弟子を取らない人だからと皆に言われていたので、店を継ぎたいと言えず、焼き鳥店をやりたいので仕事を覚えさせてくださいと偽って通った」と振り返る。

 オープンから3カ月がたち、旧店の常連客が来店してくれたり、SNSで知った人が来たりしているという。毎日昼ごろから、食材を切りタネを作り1本ずつ串を打つ。手伝いに来ている根本さんは「焼き鳥は仕込みが大変。一つ一つよくやってくれている。本当にありがたいこと」と目を細める。小宮根さんは「名前を継いだプレッシャーがすごい。自分が鳥正のファンだったから、下手な物を出して『これが鳥正か』とは思われたくない。たくさんの人に鳥正の味を届けられるように日々精進していきたい」と意気込む。「(根本さんの味に)根本さんの年齢になる頃には追いつけるかな」とも。

 営業時間は17時~24時。月曜定休。

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