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行田の「洋食 Torche」が1周年 広い空間でシンプルな料理楽しんで

オーナーシェフの花之内亜紀さん(右)とマネージャー兼ジャパンビアソムリエの淺野忍さん

オーナーシェフの花之内亜紀さん(右)とマネージャー兼ジャパンビアソムリエの淺野忍さん

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 「洋食 Torche(トルシュ)」(行田市栄町、TEL 048-580-7870)が3月3日、オープン1周年を迎えた。

タンシチュー

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 オーナーシェフの花之内亜紀さんは、陶芸をしている父親が、手作り窯で1週間近く焼成するために両親で家を空けることがあり、幼い頃から6歳年下の妹の食事を作っていたという。「おもちゃより、自分が試したい料理の材料を買ってもらいたがる子どもで、作った料理を家族が喜んでくれた」と振り返る。絵も得意だった花之内さんは、グラフィックデザイナーとして都内で働いていたが、長時間の座り仕事で腰を痛め地元に戻り、大好きな料理ができる飲食店で働くことになった。「都内で心身限界まで働いていた時、生粋の手作り料理を食べられる店を探したが、行きついた先は高級フレンチ店だった。もっと気軽に入れる手作りの店があればいいと思っていた」と花之内さん。学生時代に一緒に飲食店でアルバイトをしていた淺野忍さんと偶然地元の職場で再会した。飲食店で35年キャリアを積んでいる淺野さんから、飲食業界の仕事や面白さを教えてもらったという花之内さん。「淺野さんとなら一緒に目指したいお店をやっていける」と2人で洋食店出店を決意した。

 店名の「Torche」は、フランス語で「松明(たいまつ)」を意味する。「コロナ禍も重なり、なかなか土地が見つからない中、快く元オーナーに譲ってもらった場所が行田市栄町の地。地名にちなんで『栄える』を連想させる松明の燃え盛る姿から名付けた」と花之内さん。店舗面積は約270坪。席数は、カウンター=3席、テーブル=6卓24席。設計図も自ら描いた。花之内さんは「おしゃべりしながらご飯を食べることは生きる上で大事なこと。広々とした空間でゆっくり食事をしてもらいたかった」と話す。

 ランチメニューは、限定5食の「タンシチュー」(ライス・香の物付き、2,700 円)、限定10食の「ハンバーグ(シチューまたはてりやきまたはガーリックじょうゆ)」(ライス付き)、「チキンソテー(辛みそまたはてりやき)」(サラダ・ライス・スープ付き)、「クラムチャウダー(スープは季節により異なる)」と「ナポリタン」「えびドリア」「カレードリア」「オムライス」のいずれかとサラダ付き(以上、1,900円)、「カレー(ビーフまたはシーフード)」(サラダ・ライス・スープ付き、1,700円)「クラムチャウダーとオムハヤシ」(サラダ付き、2,100円)のほか、「プリン」「珈琲ゼリー」などのデザート(550円)、コーヒー、紅茶、ウーロン茶などのソフトドリンク(150円)を用意する。

 店内のまきストーブは、幼いころから暖かいだるまストーブがある陶房で過ごしていた花之内さんにとって身近な存在。「コンセプトは自分が安心して食べられるシンプルな食材の料理提供で、食材にこだわり、身体にいい物を作りたい」と話す。看板メニューは「シチュー」。幼いころから花之内さんの料理を食べてきた妹のリクエストがきっかけで作った。「シチューはほかの料理と比べて一番手間がかかる。タマネギ、ニンジン、セロリを丸ごと溶けるまで煮込み、冷ますと加熱するの繰り返しで味が落ち着くまでに1週間を要する。家ではなかなか作れないからこそ、店で食べてほしい」と話す。

 ジャパンビアソムリエの資格を持つ淺野さんは「香りや味を楽しめるベルギービールがお薦めで、国産の黒ラベルは何杯飲んでも飽きない。丁寧に入れたビールも料理と共にお客さまに楽しんでほしい。この地で細く長く、2人でできる範囲で店を続けていきたい」と話す。花之内さんは「地元の常連さんが『応援するんだ』と支えてくれ、ありがたい。人に気遣って作ってもらったものを食べると癒やされたり、元気になったりする。地元の人が食べに来たくなるような店になれたら」と話す。

 営業時間は、11時~14時、18時~22時。第2・第4水曜、木曜定休。

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