熊谷市妻沼に4月18日、ほうじ茶専門店「焦がし屋 武一」(熊谷市妻沼)がオープンする。
「空き店舗も利用して、妻沼をさらに活気付けたい」と話す、小川経営指導員と店主の小林さん
1868(明治元)年創業の茶販売店「西田園」が開いた同店。20~30代の若い年齢層をターゲットに、空き店舗の古民家を改築した。
焙煎(ばいせん)した茶葉をブレンドした商品(100グラム750円~)を販売、今後はテークアウトでほうじ茶やほうじ茶ラテ、ほうじ茶のジェラートなどの提供も予定する。店内に焙煎機を設置し客の好みに合わせ焙煎するほか、お茶を1杯ずつドリップして蒸らす入れ方にもこだわる。
店長を務めるのは、JAMHA(日本メディカルハーブ協会)認定「ハーバルセラピスト」の資格を持つ福島佑里さん。以前は美容系の仕事をしていたが、外側だけでなく内側からの「美」に興味を持ちハーブやメディカルハーブの知識を深めてきた。福島さんは「肌の調子が良くないときや、気分が落ち込んでいるときなど、お客さま一人一人に合うものを提案したい。ほうじ茶やハーブを通じて体の中からきれいになるお手伝いができれば」と意気込む。「ほうじ茶とハーブのオリジナルブレンドも考えたい」とも。
店名「武一」は店主小林伸光さんの祖父で西田園創業者の武一さんに由来。家業を継ぎ、受け継いだものを大切したいという恩返しと感謝の意味を込めた。
数年前から店舗の構想を考えていたという小林さん。熊谷商工会議所主催の第3回熊谷発ビジネスプランコンテストに出場し、「自家焙煎・ほうじ茶専門店『焦がし屋 武一』店舗オープンとオリジナルブランドの確立~古民家再生にかけたお茶屋の復活~」で最優秀賞を獲得した。
「手間をかけてでも手にしたいおいしいものがあることを広めたい」と小林さん。「コンビニでもボタン一つでドリップコーヒーが手に入る時代。もちろんその手軽さもあっていいと思うが、手間をかけ自分の目の前で入れてもらう1杯は特別。日々忙しい現代人には難しくなってきている『お茶を入れる』という文化を通じて、妻沼の町とお客さまとのコミュニケーションを図りたい」と話す。「妻沼はのんびり観光ができる町。ほうじ茶を片手にほっと一息ついてもらう『癒やしの場所』になれば」とも。
焙煎の違いで味だけでなく色も濃くなっていく「ほうじ茶ジェラート」は3種類予定。一番濃い「極濃」は真黒に近い色だが苦みはそれほどないという。小林さんは「ほうじ茶は同じ原料でも焙煎の仕方で全く異なった仕上がりになるのが面白いところ。低カフェインで女性やお子さん、高齢の方にも薦めやすい」とも。
店の入り口には小林さんがこだわって作りたかったという家紋のレリーフが掛かり、夕暮れには明かりがともり浮かび上がる。
くまがや市商工会の小川恵司経営指導員は「相談から半年、ほぼ毎日顔を合わせ二人三脚でお手伝いしてきたので思い入れも強い。ほうじ茶専門店というだけでも話題性があり、成功を信じている。空き店舗利用でさらに妻沼に活気が出てくれれば」と期待を寄せる。
営業時間は10時~18時。月曜定休。