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熊谷・妻沼聖天山で23年ぶりに秘仏公開 未来志向の文化財保護フォーラムも

今回公開される秘仏。朱の布で包まれている部分が公開となる(画像提供=熊谷市教育委員会)

今回公開される秘仏。朱の布で包まれている部分が公開となる(画像提供=熊谷市教育委員会)

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 妻沼聖天山歓喜院(熊谷市妻沼)で4月16日から、本尊の秘仏、国指定重要文化財「御正躰錫杖頭(みしょうたいしゃくじょうとう)」が一般公開される。

記念フォーラムで対談する山下さんとアトキンソンさん

 高野山真言宗の同寺院。平安時代末期の武将「斎藤別当実盛」による開山から840周年を迎え、23年ぶりに「御開扉」(一般公開)されることになった。

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 公開される秘仏は、スズ製のつえの形をした頭部(高さ47センチ)に男女2体の小さな仏(歓喜天)が配されたもの。寺院を創建した実盛の孫らが鎌倉時代に製作を依頼、寄進したとされる。同院の名前「歓喜院」はこの秘仏に由来し、縁結びなどのご利益と結びついている。

 通常は厨子(ずし)の中に安置され、中央部の歓喜天は布で覆われていて見ることができない。これまでにも高野山真言宗の宗教的な節目や歓喜院の開基からの記念年などに公開されてきたが、布の部分が取り払われ仏の姿が一般公開されるのはまれという。

 今回の御開扉について、熊谷市立江南文化財センターの山下祐樹学芸員は「今回公開される歓喜天は、インドやチベットの仏教とも関わりがあり、平安時代から続く地域の信仰を今に伝える重要な文化財。次の公開は未定のため貴重な機会になる」と話す。

 16日には14時から境内の石舞台で「妻沼聖天山の信仰と今後の文化財保護」をテーマに一般公開記念フォーラムを予定。同寺の鈴木英全院主による趣旨説明があるほか、歓喜院聖天堂の「平成の大修理」で彩色復元の工事などを担当した小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長と、建造物の国宝指定に向けた調査研究に関わった山下さんが対談する。アトキンソンさんは政府の観光振興や文化財活用についてアドバイザーを務め、国際的にも多く提言している。山下さんは「国内外から注目を集めているアトキンソンさんとともに、未来志向の文化財保護と活用について世界に向けて発信できたら」と意気込む。

 公開時間は10時~16時。見学料は3,000円。今月22日まで。16日の記念フォーラムの開催時間は14時~。観覧無料。

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