熊谷市で9月6日から、「熊谷染型紙」の文様をあしらったちょうちんや反物を使った「ウエルカムイルミネーション」が行われる。
当日熊谷ラグビー場で行われる日本代表壮行試合、リポビタンDカップ「日本代表対南アフリカ代表戦」と、20日に開幕するラグビーワールドカップ2019の熊谷開催を記念して、来訪者をもてなすと共に「ラグビータウン熊谷」を広くPR、まちなかのにぎわいを演出する。
中心市街地を流れる「星川」の川面近くには、熊谷染型紙の文様をデザインに採用した163のちょうちんと44の反物を設置。赤系色で統一して一体感を持たせ、水面に光が映えるよう考慮した約5万3000個のLED電球で飾る。星川広場やお祭り広場、太陽の広場のほかラグビーロードにある藤棚にも異なる装飾を施し、星川で開催されるイベントやラグビーワールドカップのファンゾーンとなる「コミュニティー広場」に訪れる人々を視覚でもてなす。
埼玉県伝統的手工芸品に指定される「熊谷染」は型紙や手描きで美しい模様を染め出す模様染の一種。藍染めが盛んだった同地域で育まれた。「熊谷染型紙」はデータ化され一般に広く使えるよう保管されている。
ちょうちんと反物のデザインを手掛けたAK・designの熊谷明美さんは「以前から熊谷染型紙の文様と町の風景とをつなげたインスタレーションができたらといいと考えていた。良い機会に恵まれた、古くから職人がデザインし型を彫り大切に使われてきたものを現代の星川に表現できたことは感慨深い。海外からの来訪者にも和のテイストを盛り込んだおもてなしを楽しんでもらえれば」と笑顔を見せる。
「星川には戦時中の悲しい史実があるが、現代と未来の前向きな気持ちに向けるよう、エネルギーに満ちた力強いポジティブな意味を込めて明るめの赤を採用した。光の当て方にも工夫を凝らしているので、昼と夜の違いも楽しんでほしい」とも。
点灯式は9月6日17時45分~。2020年2月29日まで。