熊谷市内の文化財を巡るツアー「熊谷の宝物を巡るバスツアー」が11月12日に行われる。
熊谷市内の文化財を巡るツアー「熊谷の宝物を巡るバスツアー」の案内
2019年度の熊谷市「はじめの一歩助成金」を受け、バスツアーを主催する「ミュージアムを作りたいね会議」は、「熊谷には美術館も博物館も何もない」と嘆く声を耳にし、「ミュージアムが欲しいと言っても簡単なことではない。作るためにはどんなことをしたらいいのか、嘆くのではなく皆で考え一歩進めてみよう」と、有志が集まり昨年4月に立ち上げた。
みのかも文化の森美濃加茂市民ミュージアム館長や、京都国立博物館学芸部長を迎え、ミュージアムと地域・市民の関わりや、最近の博物館の役割についてなどの小さな講演会を5回ほど重ね、地域の文化や歴史、アートなどに市民レベルで触れ合い、価値を見つけ、市民が研究、広報をするなどを想定した「建物がなくてもできるミュージアム活動」から始動した。
メンバーは以前、熊谷市立熊谷図書館学芸員の大井教寛さんによる講演で、熊谷は旧石器時代から途切れることなく歴史が積み重なり、文化財の建物、美術品、写真などの「宝物」がたくさんあると知ったが、分散して保管され、価値が市民に伝わっていないと感じ、実際に見てみようと「熊谷の宝物を巡るバスツアー」を企画した。
当日は、妻沼の荻野吟子記念館をはじめ、市内の展示室、源宗寺、根岸家長屋門、江南文化財センター、熊谷図書館など7カ所を巡り、建造物や彫刻、出土品、伝統工芸品などの文化財を、管理者の解説を受けながら見学する。今回特別にバックヤード(収蔵庫)も見学できる。ツアー前の10月30日には大井さんによる事前レクチャーを予定する。
同団体代表の大久保由美子さんは「分散されていても『熊谷の宝物』を大切に思うことはできる。バックヤードまで見られるこの機会は貴重。自分たちで見て知ることにより、市民が『熊谷のまち』を誇りに思えたらいいと思う」と話す。「街の中にも埋もれている宝物があると思う。『これは文化』と感じる新しい発見をすることも『ミュージアム活動』と考えている」とも。
開催時間は9時~16時40分。電話とメールで参加を受け付ける。申し込みは11月7日まで。定員は30人。参加費は800円(昼食、保険料込み)。