行田八幡神社(行田市行田)で6月19日、新型コロナウイルス感染症を封じる「疫病退散特別祈祷(きとう)」が行われ、「疫病封じの札」の配布が始まった。主催は行田市観光協会。
古くから「封じの宮」として知られる同神社、「虫封じ」「がん封じ」「ぼけ封じ」などの祈祷が行われ県内外から参拝客が訪れる。今回、行田市観光協会では「八幡さまの『疫病封じ』により必ずや新型コロナウイルスを退散させ、行田市はもとより日本そして世界の平穏な日常を取り戻す」ことを願い祈祷を依頼。観光協会の石井直彦会長と市議会議長、行田商工会議所会頭、南河原商工会会長が参加した。祈祷後には参拝者に向けて「疫病封じの札」が本殿前に設置された。1体ずつ持ち帰ることができ、限定2000体が無くなり次第終了となる。
現在境内では色とりどりの「花手水(ちょうず)」を見ることができる。水面に花を浮かべ飾る「花手水」があるのは本殿前と社務所前の水鉢、本殿脇のつくばいの3カ所。以前「花手水」を巡るツアーを企画していた行田市で、新型コロナウイルスの影響でツアーが開催できなくなったことをきっかけに松岡俊行宮司が「自粛自制が続く苦しい今だからこそ、悩みを抱えて参拝される方の癒やしになれば」と、市内の花店「hanasakuminaru(花さく実なる)」(忍)に花手水を依頼した。
4月4日から週末に合わせて毎週替わる「花手水」は、参拝者から口コミで広がった。同神社によると週末だけでなく平日も「花手水」の写真を撮りに訪れる人の姿が絶えないという。同店スタッフは「1つの水鉢につき使う花は4~5種類。ありがたいことに毎週通ってくださる方もいるので変化を意識して花を用意している。水鉢に生けるのは花の頭だけ。花を扱う者として花首だけを手水鉢に生けるのはぜいたくな使い方だと思う」と話す。松岡宮司は「花を愛(め)で水琴窟の音に耳を傾けてもらい、こんな時だからこそ皆さまの癒やしになれば」と話す。