熊谷市観光協会が2月22日から一般社団法人として活動している。
旧協会は1954(昭和29)年に設立され、市役所内に事務局を置く形で62年の間活動してきた。主に「さくら祭」や「花火大会」などの催事運営や観光情報誌の作製をはじめとした熊谷の魅力の発信などを中心に行ってきたが、ラグビーワールドカップ2019の熊谷開催決定を契機に、より柔軟に、より専門性を生かした組織に変革しようと、「オール熊谷」を合言葉に新規職員を広く公募した。
チーフプロデューサーに就いた時田隆佑さんは熊谷市出身で、昨年度まで北本市観光協会で観光情報発信館館長を務めていた。「観光を通したまちづくり」を実践し、市民参加型のワークショップ「北本の観光のこと考えちゃわナイト」を定期的に開催するなど、「情報を拾う、つなげる、サポートする」ことを中心に活動してきたという。「集まったメンバーでの意見交換を通しながら、人と人、アイデアとアイデアを引き合わせると、新たなアイデアが生まれたり、思わぬ相乗効果があったりする」と話す。
「熊谷には観光資源となるようなスポットやイベントがさまざまある。熊谷の人がまず地元の暮らしを楽しみ、さらにはお越しいただいた方の満足度を高めることにつながれば」と時田さん。「例えばラグビーを見にきた人がラグビー場までの道沿いにあるお店に立ち寄ったり、市内観光のツアーに参加したりと『熊谷っていいね』と思ってもらえるようにしたい」と意気込む。
マネジャーの宇野元英さんは「前向きな議論を重ねて、自分たちの住んでいる熊谷を住民みんなで考えていく、それこそが真の『オール熊谷』であり、今回の観光協会民営化の意味。やる気のある人々のハブとなり、補っていくのが観光協会の役目」と話す。