熊谷市出身のミュージシャン、加藤ひさしさんのステージ衣装や愛用楽器などを展示する企画展「加藤ひさし衣装展『I’m only 60 years old』」が11月3日、八木橋百貨店(熊谷市仲町)8階のオープンギャラリー熊谷で始まった。
ユニオンジャック柄ジャケットと、会場限定で上映されている「展示衣装の解説動画」
ロック・バンド「THE COLLECTORS(ザ・コレクターズ)」のリーダーで、ソングライターとしても矢沢永吉、小泉今日子、沢田研二、藤井フミヤなどに楽曲や歌詞を提供する加藤さん。1960年代に英国で流行した音楽やファッション、ライフスタイル「MOD(モッズ)」文化を継承するアーティストとしても知られる。
加藤さんと以前から交流のあった八木橋百貨店が、加藤さんが60歳を迎える記念に衣裳展を企画した。
同企画展では加藤さんの愛するモッズの原点といえる「ユニオンジャック」柄のジャケットやスーツをはじめ、世界地図模様のスーツ、鮮やかな原色の花柄サイケジャケット、今年のライブツアーで着用予定だったというヒョウ柄スーツなど、独特なデザインで注目を集めるステージ衣装全15点を年代別に配置。ステージ写真とパネルで紹介するほか、直接、会場で会えないファンの皆さんに加藤さん自ら「展示衣装の解説動画」を撮影し、会場内限定で上映している。
会場入り口に展示され存在感を示す赤・青・白のユニオンジャックジャケットはデビュー時のもの。加藤さんは「バンドで食べていこうと決心した時に、他にはない自分だけのカラー、ユニホームとして『ユニオンジャック』デザインのジャケットを作った」と話す。会場には1995(平成7)年に日比谷野外音楽堂で披露したモノクロのユニオンジャックジャケットやユニオンジャックのえんび服も展示する。
会場内中央には愛用楽器7点も展示。学生時代に市内の楽器店「フジクラ楽器」(石原)で購入した「Fender Japanオリジナル・プレジションベース」や、11月18日に発売する24枚目のオリジナルアルバム「別世界旅行 A Trip in Any Other World」のジャケットにも登場するEKOのロケットギターなどレアなギターを披露。「若かりし頃に地元で購入した楽器を熊谷で展示する日が来るとは思わなかった」と加藤さん。「ロックが好きで、60歳になるのにいまだに好きなことを続けている。今の時代、誰でも不安に感じることがあると思うが、自分しかできないことをやり続けていれば、自ずと道が開ける。この展示会が何かのヒントになれば」とも。
開催時間は10時~18時30分。9日まで(最終日は16時まで)。入場無料。