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熊谷でスプリングコンサート コロナ影響受け1年越しの開催 音楽で感謝届ける

飛沫防止用シートを設置したステージで演奏する出演者ら

飛沫防止用シートを設置したステージで演奏する出演者ら

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 「スプリングコンサートinくまがや」が3月13日、熊谷市立文化センター 文化会館(熊谷市桜木町)で行われた。

「支えてくださった全ての方に感謝したい」と出演者(左から瀬戸さん、小澤さん、萩原さん、北さん)

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 熊谷市出身でソプラノ歌手の萩原みかさん、北裕子さん、瀬戸奏さん、ピアニストの小澤朋子さんが共演。ソプラノ歌手の3人は市立富士見中学校音楽部出身の先輩と後輩、同窓生が揃って地元熊谷に演奏を届けた。

 2020年3月に予定していた同コンサート。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は施設閉鎖により中止、5月に延期したものの緊急事態宣言が発令され一度は開催を断念した。生演奏や合唱自体が難しいと思っていたが「延期してでも開催してほしい」「歌声が聞きたい」との要望を受け、コロナ禍の中でできる方法を施設担当者と相談しながら開催を調整していた。コロナ対策として、客席は1席ずつ空けて席数を半分に減らし、舞台前の客席は空席、舞台上に飛沫防止用シートを設置、1回公演を2回公演に分散、プログラムを縮小し演奏時間を短縮することで1年越しの開催を決めた。当日は来場者に会場入り口で検温と手指消毒、マスク着用、連絡先記入、休憩時に換気、会話を控えてもらうなど対策を徹底した。

 開演し幕が上がると同時に拍手が起こり、客席ではハンカチを手に涙ぐむ姿も見られた。はじめに、萩原さんは「この日を迎えられて感無量。支えてくださった皆さまに感謝したい」とあいさつした。北さんは「コロナの影響で演奏する機会が失われていたので、冬眠から目覚めたクマのよう。ステージは本当に久しぶり」、瀬戸さんは「日程が延期して1年半くらい温めてきたコンサートプログラム。やっとお客さまの前で披露できてうれしい」と笑顔を見せた。

 プログラムは日本の歌メドレーや世界の歌、「からたちの花」「落葉松」など耳なじみの良い曲を集めた1部とオペラやオペレッタの名曲を披露した2部で構成され、会場内は終始温かい雰囲気に包まれた。2回公演で350人が来場した。

 演奏後、小澤さんが「開演して緞帳(どんちょう)が上がったと同時に、夢じゃない、これは現実、やっとこの日を迎えられたという思いが込み上げてきた。ステージに立てる喜び、新しい感動があった」と話すと、萩原さん、北さん、瀬戸さんも大きくうなずいた。北さんは「演奏を披露できてほっとしている」と感動で目を潤ませ、瀬戸さんは「あらためて音楽はいいなと感じた。楽しく演奏でき、お客さまにも楽しんでいただけていたらうれしい」、萩原さんは「今日の演奏会をきっかけに、また地元熊谷の舞台で皆さまに歌声を届けられるよう精進したい」と笑顔を見せていた。

 当初のプログラムでは、歌手3人が卒業した熊谷市立富士見中学校音楽部と共演する予定だった。コロナ禍で部活動自体が難しい状況となり今回共演はかなわなかった。萩原さんは「またきっと一緒にステージで演奏できることを願っている」と話す。

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