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渋沢栄一と熊谷・長島記念館結ぶ講演会 大河ドラマで関心高まる

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 熊谷市の「長島記念館」(熊谷市小八林、TEL 0493-39-2025)で6月26日、渋沢栄一と長島記念館との関わりを紹介する講演会「渋沢栄一と長島記念館を結ぶ道」が行われた。

長島記念館で展示中の渋沢栄一の資料

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 2019(平成31)年、熊谷市文化財「名勝」に指定された同館。所有する多くの美術品の中には渋沢栄一が直筆した掛軸や額があり、年間を通して一般公開している。日本近代経済の父として知られる渋沢栄一への関心が高まる中、長島記念財団と同市教育委員会が講演会を企画した。

 当日は、展示した渋沢栄一と徳川慶喜の書を前に熊谷市の学芸員が登壇し、当時の銀行設立に関する経緯や長島家と渋沢家の交流について解説。同財団常務理事の田沼利将さんと同館が所蔵する渋沢栄一が記した資料や江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の書をテーマに対談した。

 長島家は江戸時代中期以降の商家として知られ、大正時代に当主の長島甚助が旧吉見村の村長となり、渋沢栄一らと協力して熊谷周辺の製糸産業などを進めた経緯がある。長男の長島恭助は、埼玉県立熊谷中学校(現・熊谷高等学校)、山口高等商業学校(現・山口大学)などを経て、渋沢栄一が設立に関わった武州銀行に入行。その後、埼玉銀行(現・埼玉りそな銀行)頭取・会長などを歴任し埼玉県経済界の発展に貢献したほか、恭助は渋沢の影響を受け育成事業に尽力した。

 会場にはコロナウイルス感染対策を講じ、50人が参加した。大河ドラマを欠かさず見ているという、さいたま市から参加した会社員の女性は「渋沢栄一の存在が身近に感じられ、楽しい時間だった。熊谷周辺にある渋沢の史跡などを旅してみたい」と話していた。学芸員は「渋沢の存在は長島家をはじめとする郷土の人々に大きな影響を与えた。近代熊谷の歴史に光を当てる調査研究を今後も進めていきたい」と話す。

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