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行田で田んぼアート見頃 水田に浮かぶ「ジャポニスム」、波しぶきまで繊細に

地上50メートル、古代蓮会館の展望台から見た田んぼアート(7月21日撮影)

地上50メートル、古代蓮会館の展望台から見た田んぼアート(7月21日撮影)

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 行田市で現在、「田んぼアート」が見頃を迎えている。

開花の見頃を迎えている「行田蓮(古代蓮)」の蓮池から見える古代蓮タワー

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 場所は「古代蓮(はす)の里」(行田市小針)東側にある2.8ヘクタールの水田。圃場をキャンバスに見立て、異なる色の稲で絵を描く「田んぼアート」。行田市は2008(平成20)年から始まり、2015(平成27)年に「最大の田んぼアート」としてギネス世界記録にも認定された。2019年にはラグビー・ワールドカップ開催に合わせて田んぼアートを制作し、リーチマイケル選手や姫野和樹選手、田中史朗選手の肖像と「がんばれ日本代表」の文字で日本代表を応援した。

 今年のテーマは「田んぼに甦(よみがえ)るジャポニスム~浮世絵と歌舞伎~」。19世紀後半に日本の文化が西洋諸国の芸術文化に与えた「ジャポニスム」に注目し、絵画の巨匠たちに多大な影響を与えた「浮世絵」と「歌舞伎」をデザイン、「田んぼ×文化芸術」で行田から新しいジャポニスムを届ける。

 梅雨明けから4日連続の猛暑日となった7月21日、田んぼアートを地上50メートルの高さから見渡すことができる「古代蓮会館」展望台からは、冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の巨大な波の中に見える富士山と押し寄せる波しぶき、歌舞伎十八番「暫(しばらく)」の主人公の派手な衣装と隈取(くまどり)で見得(みえ)を切る目力の様子が浮かび上がった。

 県内に住む夫婦は「古代蓮(はす)は見に来たことがあるが、田んぼアートを見るのは初めて。波しぶきまで表現されていて素晴らしい」「細かくてびっくり。田植えした人たちも大変だったでしょう」と話す。行田市産業・文化・スポーツいきいき財団 古代蓮の里事業部の山子学主幹は「(田んぼアートは)今が見頃だが、これからも稲の生長に合わせて色鮮やかに変化していく。秋の稲刈りで背景部分の『彩のかがやかき』を収穫するが、収穫後もモノトーンのような雰囲気でこれも味わいがあるので、変化する様子も楽しんでいただければ」と話す。

 古代蓮会館の開館時間は10時~16時(現在は蓮の開花期につき7時~)。入館料は、高校生以上=400円、小・中学生=200円。入館は検温と手指消毒、連絡票記入が必要。コロナ対策として展望台入場は50人までに人数制限し、エレベーター利用は一度に5人までとしている。

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