熊谷商工会議所(熊谷市宮町)の大ホールで5月20日、「第5回例会 『変化を把握し、変革を起こす』」が開催された。
同例会は公益社団法人熊谷青年会議所が主催。青年経済人へ向け、身の周りや経済で起こりうるであろう変化を正しく把握することを目指す。
この日は、超高齢化社会やオックスフォード大学が発表した「あと10年で消える職業、なくなる仕事」などのリスク、外国人訪問客の増加で日本が観光大国になりつつあることや、時代の変化に飲まれながらも多角化して業績を回復した富士フイルムなどを例に「現在とこれから先30年を見据えてどう対応していくべきか」を中心とした講義内容になった。
後半は実際に外的要因や自分の判断が自分の会社の経営にどのような影響を与えるかが体験できる「財務戦略決断ゲーム」が行われた。
同ゲームはうどん店を新規オープンするというシミュレーションゲームで、資本金や固定費、賃貸や社員への給与、銀行からの借入金額や火災保険に加入するかなど細かく設定してから、数人で行うもの。肝となるのはどこに店を出すかで、「駅前」「郊外」「オフィス街」「住宅街」の中から選ぶことができる。
プレーヤーは順番に「売上カード」「原価率カード」「固定費カード」の中から1枚引き、そのカードに書かれた内容を採用するか20秒以内に判断する。ゲームの途中「環境カード」を全員が引き、都市開発や風評被害により客足が増えたり減ったりする「体験」も。
ゲームに参加した篠﨑匠さんは「説明を受けるだけでなく、実際にシミュレーションゲームで体験してみることで変化に対応し続けなければいけないことを感じた。自分はIT関係の仕事をしているので他の業種以上に敏感に変化を感じ取らなければ」と話す。
同例会に参加した小林純一さんは「30年先と言われても想像ができなかったが、今思い返せば30年前と今が全然違うということに改めて気が付けた。例会の説明であったが10年でおよそ95%の企業がなくなり、残った5%の企業も20年で95%なくなる。30年ともなるとほとんどの企業がなくなっていることになるので人間力、財務力などあらゆる面に気を配り30年後も自分の会社を残していければ」と話す。