深谷市立藤沢中学校2年生の生徒が11月26日から3日間、コーヒー専門店「直火焙煎珈琲(じかびばいせんコーヒー)まめや深谷館」(深谷市上原)で職場体験に臨んだ。
注文を受け、ハンドドリップでコーヒーを入れる生徒。何度も練習し味の違いが分かるようになったという
生徒が行った職場体験「社会体験チャレンジ」は、「立志と忠恕の深谷教育」のもと、夢を育み、志を実現するキャリア教育として働くことの大変さや厳しさを学び、進路選択に生かしたり地域の人と触れ合うことで社会性や自立心を養い、豊かに生きる力を育成したりするのが目的。対象は市内の中学2年生。新型コロナの影響で中断していたが、一昨年から再開した。同校では、2年生76人が地域の事業所で職場を体験。訪問先は生徒の希望をもとに決定し、同店のほかカフェや美容室、消防署、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど26カ所で行った。
まめや深谷館には26日、は飲食業に興味があるという女子生徒2人が来店。飯嶋孝之店長から仕事内容の説明を受け、お客さまへの対応が直接商品の評価に影響することや、常に快適な空間を提供することが求められることなど「接客業の心構え」を学んだ。午後からは、接客シミュレーション、ロールプレーを繰り返した。27日と28日には、接客を実践。開店前には清掃や植物への水やりなどの準備を行った。開店後は、入店客に「いらっしゃいませ」と元気にあいさつし、席案内からメニュー選びの際の商品説明、注文を受けてからコーヒー豆をひきハンドドリップでコーヒーをいれテーブルへ運び、「ごゆっくりどうぞ」と声をかけるまで一連の接客を体験した。
「覚えることが多くて、緊張した」という山田京奈さんは、店長から教わった「笑顔」「あいさつ」「おたたみ(清掃や整理整頓の意も含む)」という言葉から、客に対する思いやこだわりを感じたと振り返り、「お客さまに『来てよかった』と思ってもらえるように接客した」と話していた。
「お客さまからの『おいしかった』の声がやりがいとなり、接客の楽しさを感じた」という土田夏緒さんは「体験を通じて周りを気遣うことの大切さを学んだ。日常生活でも自分の周りに気遣う意識を持ちたい」と振り返った。
将来は「人の役に立ちたい」と考えている2人は共に「飲食業の大変さと良さを知り、将来の選択肢として興味を持った。職業を選ぶときにこの経験を役立てたい」と意気込む様子を見せていた。
昨年に続き職場体験を受け入れた飯島店長は「元気な声と丁寧な接客で、2人とも本当によく頑張った。初心を思い出す機会を得られ、自分の方が2人から学ばせてもらった。お客さまからの反応も良かった」と話す。
2年生学年主任の岩﨑清志教諭は「働くことの意義を学ぶ職場体験。生徒は元気よく礼儀正しく接客できていた。来年2月に行う『立志の会』で発表してもらう将来の夢や志を決意する上で大切な経験になったと思う」と話す。