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熊谷「妻沼のいなり寿司」と深谷「煮ぼうとう」が100年フード認定

100年フードに認定された、熊谷市の「妻沼のいなり寿司」(左)と深谷市の「煮ぼうとう」(右)

100年フードに認定された、熊谷市の「妻沼のいなり寿司」(左)と深谷市の「煮ぼうとう」(右)

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 熊谷市の「妻沼のいなり寿司(ずし)」と、深谷市の「煮ぼうとう」が3月3日、地域に根付く食文化をPRする文化庁の「100年フード」に認定された。

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 地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、100年続く食文化=「100年フード」と名付けて継承していくことを目指す取り組み。昨年から始まり131件が認定された。選定基準は「地域の風土や歴史・風習の中で個性を生かしながら創意工夫され、育まれてきた地域特有の食文化」「地域において、世代を超えて受け継がれ、食されてきた食文化」「その食文化を、地域の誇りとして、100年を超えて継承することを宣言する団体が存在する食文化」の3点を満たすもの。今年の認定フードは70件。熊谷広域圏からは、認定3部門のうちの一つ、「伝統の100年フード部門」(江戸時代から続く郷土の料理)に「妻沼のいなり寿司」(熊谷市文化遺産研究会申請)と「煮ぼうとう」(武州煮ぼうとう研究会申請)の2件が選ばれた。熊谷市は昨年の「五家宝」に続き2年連続の認定となった。

 「妻沼のいなり寿司」は、しょうゆと砂糖で煮込んだ油揚げに酢飯を詰めた物。細長い俵の形で他の地域より長い。江戸の「いなり寿司」 が妻沼に伝わった。江戸時代中期、妻沼聖天山の国宝「歓喜院聖天堂」建立と同時期に創業した茶屋「毛里川(もりかわ)」が前身の「森川寿司」や 明治時代の門前茶屋を発祥とする「小林寿司」、戦後、聖天山近くに店を構えた「聖天寿し」の他2店、計5店が「郷土の味」を作り続けている。

 「煮ぼうとう」は、地元の小麦粉が手に入りやすい土地ならではの郷土料理。北埼玉で知られる。幅広の麺(幅約2.5センチ、厚さ約1.5ミリ)と、特産の「深谷ねぎ」、地元の根菜類を素材とし生麺の状態から煮込み、しょうゆで味をつける。申請した武州煮ぼうとう研究会によると、深谷出身の実業家・渋沢栄一も好んで食べたという。認定を喜ぶ同会の新井端さんは「地元の野菜を煮込んだ一杯は冬はもちろんのこと、季節を問わず食べたい味。日本中に知ってもらいたい」と話す。

※2024年3月18日、本文に誤りがあったため一部削除いたしました。

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