地域の歴史文化を学ぶ出前授業「マイ足袋作り」が7月7日、行田市立太田小学校(行田市小針)の3年生児童44人を対象に行われた。
江戸中期から生産が始まり、最盛期の大正~昭和初期は基幹産業として地域経済を支えた行田の足袋。同校では地域の歴史を学ぶ社会科授業の一環として、2年前から3年生を対象に行っている。
当日は、足袋の企画販売事業を手がける「武蔵野ユニフォーム」(藤原町)の小松和弘社長を講師に招き、足袋作りを行った。児童たちは小松社長の手ほどきで、白い生地に好きな絵や柄を描いたほか、最終工程の「仕上げ」を体験した。
事前に準備していた下絵を見ながら布地にサインペンで描く児童たちのデザインはさまざま。小松社長は「子どもたちの自由な発想が刺激になる。足袋について調べてまとめている様子も分かり、年々理解が深まっていると感じる」と話す。
学校再編制計画で太田西小と太田東小が統合し、本年度から「太田小学校」として開校した同校の清水高明校長は「行田蓮」をモチーフにした新たな校章を描き、「世界に一つだけの足袋。出来上がりが楽しみ」とほほ笑む。この日の授業に参加した行田邦子市長は「行田といえば足袋、足袋といえば行田と言われる地域の伝統に触れる貴重な時間だった。楽しく描く子どもたちを見てうれしくなった」と目を細めていた。
児童たちが描いた足袋はこの後、同社の足袋職人が製作を引き継ぎ、夏休み明けに完成品を児童の元に届ける予定。