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熊谷で女性視点の防災ハンドブック 市と市民活動団体が共同で作成

(左から)くまがや共同参画を進める会の佐々木さんと武田さん。2004年発足の同会、会員は18団体と個人が2人

(左から)くまがや共同参画を進める会の佐々木さんと武田さん。2004年発足の同会、会員は18団体と個人が2人

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 熊谷市が2月1日、女性の視点を生かした防災ハンドブック「くまぼう」を発行した。

熊谷市防災ハンドブック「くまぼう」

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 市民協働「熊谷の力」事業で採択された男女共同参画防災ハンドブックの作成。熊谷市と市民活動団体「くまがや共同参画を進める会」が共同で取り組んだ。

 「くまがや共同参画を進める会」副会長の佐々木芳子さんは「東日本大震災や東日本台風を経験しても、熊谷は災害に強いから大丈夫という人が周りに多くいたため、もっと防災の意識を高めたいと思った」と話す。冊子タイトルの「くまぼう」は、熊谷市の「くま」と防災の「ぼう」を組み合わせた。「くまがや共同参画を進める会」会長の武田隆子さんは「冊子を作り始めたころから、当会のみんなで『くまぼう』と呼んでいた。平仮名表記で柔らかい感じが気にいっている」と話す。

 準備から発行まで約1年間をかけた。佐々木さんによると、防災に関心のある会員を集めて講演会や勉強会を開くところから始まり、防災について学ぶうち、全ての人に合わせたユニバーサルな視点で冊子を作るには、女性目線で避難準備や避難所生活を考える必要があると考えたという。

 佐々木さんは会員18人を集めて「防災を考えるグループ」を立ち上げ、避難する上で支援の必要な6つの対象者「医療」「高齢者」「障がい者」「子育て」「外国人」「ペット」をピックアップして各対象者が避難時や避難所で必要となるであろう情報を集めた。障がい者や子育て世代の人に会って話を聞き、実状を調べ、ペット同行避難で避難所となる小学校も見学した。

 佐々木さんは「目立つ意見だけでなく、どんな小さな声も反映させたいという思いで進めてきた。メンバーが持ち寄った情報を限られた紙面に集約するのが大変だった」と振り返る。どうしても掲載しきれない内容は、スマートフォンでQRコードを読み取ってもらうよう工夫した。

 コンパクトなA5判サイズの冊子は、防災袋に入れて持ち歩くことができる。「いつでも手元に置いてもらって、いざという時に役立ててほしい」と武田会長。佐々木副会長は「しまいこまないでほしい。いざという時の連絡先や我が家の安全な場所などを書き込む欄がある。手にした人が書き込んで完成する。自分の命は自分で守るという意識を持ってほしい」と呼びかける。

 冊子は7万1500部を印刷し、熊谷市内の自治会を通じて6万9766部を配布するほか、男女共同参画推進センター「ハートピア」、熊谷市役所、大里、江南、妻沼の各行政センターへの設置、熊谷市ホームページでダウンロード配布も行う。

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