熊谷市の指定避難所となっている石原小学校(熊谷市石原)の体育館で3月7日、防災イベントが行われた。
市内の子ども食堂「熊谷なないろ食堂」代表の山口純子さんと、地域住民とのコミュニケーション活動に取り組む大東建託熊谷支店、防災士の江熊香さんが企画。4年生の授業の一環として児童115人と希望する保護者15人、なないろ食堂と大東建託からスタッフ20人が参加した。
防災士の江熊香さんが「災害について」「避難所での問題」などを講演。防災学習として、児童たちは5人ずつのグループに分かれ、2つの段ボール箱を組み合わせてビニール袋を使った「段ボールトイレ」を作り、凝固剤と水を入れて後始末までを体験した。「防災かるた」で災害の危険な状況と行動の仕方を学んだほか、袋から出すだけで食べられるハンバーグ、サバのみそ煮、水を入れるだけでできるおにぎり、黒蜜きなこ餅の防災食を試食した。参加した児童からは、「トイレが作れることに驚いた」「防災食がおいしかった」「災害が起きても慌ててはいけないと思った」などの感想が聞かれた。
江熊さんは「東日本大震災があってから、地域での避難訓練や親子で学べるような防災教室を開きたいと考えていた。これをきっかけに子どもたちが防災に興味を持ち、家族で話し合う機会ができたら」と話す。
関根達郎校長は「災害が起きたときの優先順位が分かる素晴らしいイベントを開いてもらった。子どもたちにとって、トイレ、食事などの大切なことを体験で学べたことは大きい。万が一災害が起きたとき、今日を思い出して家族に教えることができると思う」と話す。
山口さんは「子どもたちが真剣に取り組み、『楽しかった』と言ってくれてうれしい。『防災かるた』も一生懸命考えて勉強になったと思う。学校の体育館で開催できたのも良かった。大人にとっても良い体験だった」と話す。「子ども食堂のフードパントリーと連携して、防災の活動も広げていければ」とも。