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深谷・新庁舎お披露目 外壁レンガウォール実現、庁舎から街なか回遊も

新庁舎外観。1階部分全周囲に張り出した庇は内外の空間を一体化させ「庁舎」と「まち」をつないで市民を迎え入れる日陰を作る

新庁舎外観。1階部分全周囲に張り出した庇は内外の空間を一体化させ「庁舎」と「まち」をつないで市民を迎え入れる日陰を作る

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 深谷市の新庁舎(深谷市仲町)が6月25日、報道関係者に公開された。

レンガと木材を組み合わせた議場内

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 1966(昭和42)年に建設された現本庁舎の耐震性不足や老朽化に伴い、市内に分散する別館や産業会館、教育庁舎などを集約する基本計画を打ち出した新庁舎建設。「市民にとって安全・安心な庁舎」「市民サービスの向上を目指した庁舎」「人にやさしく、市民の開かれた庁舎」「自然環境にやさしい庁舎」「シンプルで機能性と経済性に優れた庁舎」の「5つの基本理念」を掲げる。

 新庁舎は現在の本庁舎南側。鉄筋4階建て、敷地面積は約1万5千平方メートル。設計は2016(平成28)年に始まり、2019年6月に着工。今年5月30日に完成し、引き渡しを完了した。4階に議会、3階に市長室など執行部、2階の事業者窓口、1階に市民窓口と、低層化による明確な施設構成で全体面積を削減、コンパクト化を図る。

 「市民に愛される庁舎」を目指して市民と意見交換の場を設けてきた同市。「ふらっと立ち寄れる場所にしてほしい」という要望に応え、1階メインエントランス付近に「多目的ホール」、3階西側吹き抜け部分に休憩スペース、西側入り口前にはさまざまなイベントに利用できる「市民広場」を備える。

 渋沢栄一、レンガのまち深谷など「深谷らしさ」を表現する新庁舎。レンガの特性を生かし、夏と冬には熱負荷を低減する深谷の風土に根差した南側2~4階外壁の「レンガウォール」、市議会の議場は円形で「深谷の瓦」をアピールし議場内はレンガと木材を組み合わせる。アーチ型のレンガが目を引く国道17号線に面した1階南側のエリア「深谷コリドー(仮称)」は、ホフマン輪窯のアーチデザインがモチーフ。かつて市役所前の花壇で使用されていた「日本レンガ」(100枚)を保存、再生利用している。

 新庁舎建設に当たり「本当にたくさんの方にお世話になった」と話す同市小島進市長。「この素晴しい新庁舎はほかでもない市民の皆さんのもの。多くの方にご利用いただき、『新庁舎を作って良かった』と市民の皆さんに愛される庁舎にしていく」と意気込む。

 建物内にコンビニエンスストアや飲食店などを設けない。小島市長は「庁舎を訪れた方に、その足で街なかにも出掛けてもらおうと人の流れを考えた。街なかの賑(にぎ)わいを演出する施設の一つとしてイベントや集まりなど、どんどん利用してもらいたい」と話す。「インスタ映えするフォトスポットにも」とも。

 新庁舎の営業開始は7月27日、8時30分~。

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