「踊る埴輪(はにわ)」の石製モニュメント2体の建立除幕式が4月23日、八幡神社(熊谷市野原)で行われた。
熊谷大会2日目。第1戦、第2戦と確実に勝ち取ったアルカス熊谷
踊る埴輪は1930(昭和5)年、野原古墳群(現在の熊谷市江南地区)で農地開墾中に出土した2体の埴輪。踊っているような容姿と生き生きとした表情から「埴輪・踊る人々」と命名され、「踊る埴輪」と呼ばれて全国に知られるようになった。現在は東京国立博物館が所蔵する。
花こう岩でできたモニュメントの高さは、大きな像が195センチ、小さな像が174センチで、実物の約3倍。「踊る埴輪」が熊谷市で出土したことを地域の人にもっと知ってもらいたいと2021年に発足した野原自治会や市教育委員会の有志から成る「踊る埴輪モニュメント建立委員会」が3月に建立した。併せて建立した石碑には「踊る埴輪 この地に出土する」という碑文を歴史や諸説などと共に刻んだ。「出土の記憶」を次世代に引き継ぎたいという。
建立除幕式には、同自治会や関係者、地元小学生など30人が出席。八幡神社宮司が神事を執り行った。プロジェクトを統括した熊谷市の学芸員が開いた基調報告では「『踊る埴輪』の出土地を世界に発信できる大きなシンボルが完成した。埴輪の文化を次世代に継承する拠点にしたい」と話した。式典で唱歌「ふるさと」を歌った同会アンバサダーで熊谷市出身のソプラノ歌手・北裕子さんは「踊る埴輪の魅力を多くの人に知ってもらえるように、今後も活動していきたい」と話した。