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熊谷にゆかりの武将が漫画に 平家物語や熊谷陣屋、直実節で親しみ

漫画を手にする図書館スタッフ。漫画「直実・蓮生物語」の表紙(左)と背表紙(右)

漫画を手にする図書館スタッフ。漫画「直実・蓮生物語」の表紙(左)と背表紙(右)

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 漫画「直実・蓮生物語」が3月16日、熊谷市立熊谷図書館(熊谷市桜木、TEL 048-525-9463)から発売された。

販売は同館のほか、八木橋百貨店の須原屋書店、熊谷堂書店で行い、同館では郵送も受け付ける

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 年に1冊、郷土の歴史に関する冊子を発行している同館。2023年度は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて武蔵国熊谷郷(現在の熊谷市)で活躍した武将・熊谷直実を取り上げた。漫画は初の試み。

 熊谷直実は、熊谷市民にとって身近な郷土の武将。JR熊谷駅前ロータリーには馬にまたがり扇を掲げる直実のブロンズ像があり、市内小学校の運動会や祭り、イベントでは、直実が平敦盛を討ったシーンを歌にして振りを付けた舞踊「直実節」を踊る学校やダンスチームも多い。

 冊子には、武士として活躍した直実と出家した僧侶の蓮生の伝説や逸話から10のエピソードを収録。直実が源頼朝に従って源平合戦に参加し、一の谷の戦いで自分の息子と同じくらい若い武将の平敦盛を討ち取り、武士の世の無常を感じる話や、蓮生が京都から熊谷へ帰る時に阿弥陀様がいる西(浄土)に尻を向けたままでは失礼だと、馬に逆さに乗って西を拝んで東へ向かった「東行逆馬(とうこうさかさうま)」の話など。巻末には、全国各地に広がる直実、蓮生のゆかりの地を示す「直実・蓮生ゆかりの地マップ」を付けた。

 図書館で購入した女性は「小学生の時に直実節を踊っていたが、直実は歌舞伎を見たくらいで、蓮生は全然知らなかった。漫画だから読みやすそうだと思って買いに来た」と話す。

 副館長で学芸員の大井教寛さんは「平家物語などは有名だが、その後の僧侶・蓮生の伝説はあまり知られていないので、多めに取り上げている。郷土の偉人の生き方や考え方を通じて、自分のこれからに生かしてもらえれば」と話す。

 A5判44ページ、オールカラー。価格は500円。発行部数は1万6000部で、約1万3000部を市内の全小中学生に配布。販売は同館のほか、八木橋百貨店の須原屋書店、熊谷堂書店で行い、同館では郵送も受け付ける。

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