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深谷の小学校で「子ども農業プロジェクト」 地元産ネギ、栽培から収穫・販売も

ネギを収穫する子どもたち

ネギを収穫する子どもたち

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 深谷市立深谷西小学校(深谷市栄町)で1月27日、3年生が自分たちで育てたネギを収穫した。

収穫したネギを販売する子どもたち

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 同校で取り組む「子ども農業プロジェクト」は、地元食材「深谷ねぎ」とブロッコリーを栽培・収穫・販売する食育を兼ねた社会科体験学習の一環として、保護者の協力により5年前から始まった。

 「深谷ねぎ」は地元の名前が付いたネギのブランド。プロジェクトで栽培されるのは幻の品種といわれる「農研2号」、身が柔らかく栽培が難しいとされている。傷みやすく流通に適さないためあまり出回らない。子どもたちは栽培しながら品種や流通に関することも学ぶ。

 収穫物は毎年1月末に行われる「深谷ねぎまつり」で子どもたちが販売、その売り上げは収穫物とともに友好都市である岩手県下閉伊郡田野畑村(東日本大震災の被災地)に送られ、現地の小学校給食に使用されるという。

 本年度のブロッコリーは約500株を6年生が栽培。同田野畑村へ送ったほか自分たちで調理する授業も行われ、産地の特性を生かした食育活動となっている。

 敷地内にある畑は教諭や職員が管理し、肥料などの管理はプロジェクトに賛同する農業関係者が支援するが、草取りや害虫駆除など実際に育てるのは子どもたち。収穫で初めはネギが抜けなかった子どもも、すぐにコツをつかんだ。

 茂木隆資校長は「ネギの産地だからこその学習であり、実際に携わってみるととても多くの学びがある」と話す。

収穫の手伝いに訪れた保護者は、「子どもがネギに詳しくなった」「土がついていた方が長持ちすると教えてくれた」「ネギが食べられるようになった」「手伝いで皮むきをしてくれるようになった」と話す。「子どもたちが自分で育てたものを販売までできるのはとても貴重な体験」とも。

 泥のついたネギを手にした子どもたちは「最初抜くときは、少し難しかったけど、慣れてきたら簡単に抜けて楽しかった」「食べるのが楽しみ」「大きくなったネギが全部なくなって寂しいけど、たくさんの人に食べてもられるのでうれしい」と話す。「いっぱい売れるといいな」とも。

 翌日「深谷ねぎまつり」では全ての収穫物が完売した。

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