県立熊谷農業高校文化祭「熊農祭」で10月31日、生徒が育てた豚肉を使う「熊農ポークソーセージ」など加工品販売が行われた。
動物科学コース3年生7人が、飼育してきた交雑種の豚肉4頭分を9月に出荷。同校卒業生が営むで「手づくりハム工房バルツバイン」(寄居町富田)が昨年に続き今年もハムなどの製造に協力した。生徒が育てた豚を出荷し、専門店で加工して販売することで、生産から加工、消費者に届けるまでの流れを学ぶ取り組み。
当日は、ベーコンやハム、ソーセージなど9種類を1パック600円で全700パック販売した。「地域の人に生徒の取り組みを知ってもらうとともに、対面販売を通じて社会性や責任感を育てたい」と担当の田島秀人教諭。購入した市内在住の女性は「豚を育てて販売まで学ぶのは貴重な体験だと思う。1時間並んだが、スムーズに買い物できるように、販売方法も工夫していて感心した」と話していた。
7人は4月から課題研究を進め、先輩の事例を参考に「放牧の有無」「農場の規格外野菜の給餌」を組み合わせた4つの試験区を設けて豚を飼育してきた。放牧場の柵を設置するところから取り組んだ。飼料の違いを比較するため、個体の番号を確認し、配合飼料だけを与える豚と、野菜も与える豚を区別して管理した。放牧した豚を豚舎に戻す作業にも苦労し、豚の体を押して戻す場面もあったという。
育てた豚の体重は100~120キロほど。体の大きな豚を動かす難しさも経験した。生徒は「見た目の違いで、放牧した豚は細身で筋肉が発達し、豚舎の豚は脂肪が付きやすい外見の違いが見られた」「味への影響は加工品で評価する。飼料の嗜好(しこう)性の改善や母豚の離乳率の向上、肉質の向上に取り組みたい」とも。田島さんは「3年生の課題研究は、自分で考えて行動した実績が今後の大きな強みになる。この経験を生かしてほしい」と期待を寄せる。